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著者の香川 睦が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「S&P500が高値圏で推移!米国株高の要因と上値余地」
S&P500種指数は今年24回目の最高値更新を果たした
前週は米国市場でダウ工業株30種平均が史上初めて4万ドルに到達するなど、主要株価指数は高値圏で推移しています。機関投資家がベンチマークにすることが多く個人投資家の注目度も高いS&P500種指数は、今年に入り24回にわたり過去最高値を更新。年初来上昇率は+11.3%となっています(22日時点)。
4月の持ち高調整で株式ポジションを減らした機関投資家(特にアクティブ・マネジャー)は、株式相場のブレークアウト(高値更新)にキャッチアップするため追従買いを迫られる局面となっています。
なお、円建てS&P500指数(為替ヘッジなし)の年初来上昇率は+23.5%に達しています(22日)。22日引け後に決算を発表したエヌビディアの業績は市場予想を上回る好調で、同社のジェンスン・ファンCEOは「次の産業革命が始まった」と述べました(後述)。こうした中、米国株式の世界株式に対する優勢が目立ちます。
図表1は、米国株式、世界株式(オールカントリー)、米国を除く世界株式のパフォーマンス(ドル建て)を比較したものです。米国株がリードし、米国を除く世界株式は劣勢となっています。米国株の堅調は、GAFAMとエヌビディアなど大手テック株がリードしています。
こうした企業群は圧倒的な収益力と財務基盤でAI(人工知能)の収益化を目指した設備投資を強化させ、そのことがさらなる利益成長期待につながっています。時価総額(≒市場が評価する企業価値)の増勢は、時価総額加重平均型株価指数であるS&P500の堅調をけん引し、時価総額ウエートで米国株が6割超を占める世界株式の堅調トレンドも支えています。