繰り返される投機のサイクル

 史上最高の投機家と呼ばれたジェシー・リバモアは、

【株取引には、楽に金が儲かるといった印象があり、人を魅了するが、愚かで安易な考えから相場に手を出せば、簡単にすべてを失ってしまう。無知の対極にある知識は、大きな力となる。 無知を警戒せよ。学習、研究をしっかりおこなうこと。遊び半分ではなく、本腰を入れて取り組まなければならない】

【相場の動きを漫然と「期待して待つ」のは博打であり、忍耐強く待ち、シグナルを見いだした瞬間「反応する」のが投資・投機である。現金をもたない相場師は、在庫をもたない小売商と同じで、相場師としての命脈は保てない】

 と語っている。

 拝金主義と緩和中毒と信用バブルの中で、われわれはジェシー・リバモアの言葉を思い起こすべきであろう。ジェシー・リバモアは、「ウォール街にあるいは株式投資・投機に新しいものは何もない。ここで過去に起こったことは、これからもいく度となく繰り返されるだろう。この繰り返しも、人間の本性が変わらないからだ」と述べた。

 過去に起こったことが何度でも繰り返されるというのは、どういうことなのか?<投機のサイクル>というのは、おおむね以下のようなサイクルで構成されているということだ。

<投機のサイクル>

(1)バリューレベルで投資家がマーケットに参入 
(2)株価が上昇 
(3)変化が始まる 
(4)投機家がIPO(新規公開株)に目を止める
(5)初心者投資家がマーケットに参入
(6)株価が上昇 
(7)ポジティブ・フィードバック・ループ、株価は上昇するのみ 
(8)株価の上昇が心理的に強化される 
(9)陶酔感が広がる 
(10)レバレッジをかけた投資家が増える 
(11)陶酔感が熱狂になり、クレジットが拡大
(12)熱狂によりリスクの許容度が高まる
(13)リスク許容度の高まりによって詐欺や相場操縦が横行する
(14)マーケットがクラッシュし、投機が一掃される
(15)新たな規制とともに政府が介入
(16)投資家は全てのリスクを避ける

 出所:リアルインベストメントアドバイス