バフェット:「目を見張るような」業績の時代は終わった

 ウォーレン・バフェットは2月24日に公表した年次株主書簡の中で、「目を見張るような」業績の時代は終わったと警告した。バフェットが昨年から指摘しているように、米国経済の「信じられないような時期」が終わりつつある。

 バフェットの「株主の手紙」の中から気になる発言を抜粋しておく。

「バークシャーは、これまで経験したことのないような大規模な金融災害にも対応できると信じている。この能力を手放すつもりはありません」

バークシャー・ハサウェイ(バフェット)の現金の積み上げ

なぜバフェット氏はこれほど多くの現金(1,632億ドル)を保有しているのでしょうか?
出所:ゼロヘッジ

「バークシャーの目標は、2008年から2009年にかけてのように、経済的な混乱が起こったときに、国の資産として機能することであり、不注意であろうとなかろうと、金融の火種に火をつけてしまった多くの企業のひとつになるのではなく、金融の火消しに貢献することである」

「金融生活で決して忘れてはならない事実がある。ウォール街の住人に本当に活力を与えるのは、熱狂的な活動である。そのような時、どんな愚かなことでも、売り込めるものは精力的に売り込まれるー誰にでもというわけではないが、常に誰かによって...。時折、その光景は醜くなる。政治家たちは激怒し、悪事の最も悪質な加害者たちは金持ちのまま罰も受けずに逃げ去り、隣の友人は当惑し、貧しくなり、時には復讐に燃えるようになる。隣の友人は困惑し、貧しくなり、時には復讐心に駆られる」

 バフェットのポートフォリオは中立的だ。アップル株と石油株の両建てで、これから金利が上がろうが下がろうが、地政学リスクでインフレになろうが、何とかなるような運用になっているのである。

 一方で、相場の大暴落が起きるようなことも想定し、それに対する備えとして1,632億ドルの現金も抱えている。大量の現金を保有しているため、市場が総悲観になっているときに買い向かうことができる唯一の投資家がバフェットである。

バークシャー・ハサウェイB株(日足)

(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

バークシャー・ハサウェイB株(週足)

(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

 力強い経済と低金利は、金融における不均衡を覆い隠す。一方で不均衡が明るみに出るのは、経済成長が鈍化し金利が上昇する局面だ。しかし、金利上昇が実際に経済にダメージを与えるのには一定の時間(タイムラグ)を要する。このため、金利が上がっているのになぜか経済が強い、経済はソフトランディングへ向かうだろうという楽観論がはびこる。

 筆者は長期投資の大きな買い場は「QE5」(現在のようなステルスでない新たなQE)だと思っている。株価が割高であろうがなかろうが、それまではトレーディング・ベースの売買で相場についていくだけだ。

「上げ潮はすべての船を浮かばせる。潮が引いて初めて、誰が裸で泳いでいたかわかるのだ」

 ウォーレン・バフェット氏の有名な投資格言の一つである。