テクニカル面で見たBTC相場見通し

BTC/USD(半減期前の戻り高値はピークの7掛け)

出典:Trading Viewより楽天ウォレット作成

 先月は「4万8,000ドルから5万ドルが強めのレジスタンスで、予想外にETFに資金が流入しない限り、半減期まではこの辺りが天井になりそうだ」と申し上げたが、BTCローンチ時に付けた4万9,000ドルがピークとなった。

BTC/USD CME先物第1限月(窓埋め完了)

出典:Trading Viewより楽天ウォレット作成

 また「いったんはSell the Fact気味に上値を押さえられそうだ。ただし、ETF誕生を機に参入を希望する投資家が、押し目では待ち構えていそうで、下値も堅い展開が予想される」と申し上げたが、3万9,000ドル近辺の12月初に開けたCME(シカゴ先物取引所)の窓埋めを完了、11月のレンジの上限である3万8,500ドルで下げ止まった、レジスタンスがサポートとなるパターンだ。

 そして、4万9,000ドルと3万8,500ドルの半値戻しとなる4万3,800ドルで上値を押さえられた。いずれも想定通りで、見事にテクニカルが効いた形だ。

BTC/USD(上下とも止まるべきポイントで止まる)

出典:Trading Viewより楽天ウォレット作成

 今後の展開だが、この水準で下げ渋り半値戻しをクリアすれば、次は全値戻しを目指していく展開が予想される。

BTC月別騰落一覧

出典:Bloombergより楽天ウォレット作成

 少し想定外だったのは、月末の一時的な下げで1月の月足が微妙に陰線となったことだ。前月4カ月連続で陽線が続いた場合は約8割の確率で翌月も陽線になると申し上げたが、ぎりぎり陰線に終わった。ただ2月は年間で1番強い月でアノマリー的には陽線となる可能性が高いと考える。

中国の旧正月前後のBTC相場は5年連続上昇

出典:Bloombergより楽天ウォレット作成

 もう一つご紹介したいのが、旧正月のアノマリーだ。かつては中国に集中していたマイナーからの売りが途絶えるので、旧正月の連休中はBTCが上がりやすいといわれていた。ところが2021年に中国国内におけるマイニングへの取り締まりが厳しくなって以降もそのアノマリーは通用している。

 上は中国の春節休みの前日(大みそかの前日)をDay0とした休暇明けまでのBTCのパフォーマンスだ。ここ5年連続で上昇、上昇率は平均で10%強だ。

まとめ

 以上、まとめると、3月利下げ期待後退の影響は限定的、むしろ再浮上した場合の上昇余地はありそう。ETFはGBTCの売りがもう少し残っていそうだが、徐々に買いが上回る展開。アノマリー的にも2月は陽線となりそうだ。

 逆に3月は1年で一番弱い月。BTC市場は期待先行で上昇して、事実売りで失速するパターンを繰り返しており、ここからは徐々に半減期への期待先行で上昇、4万9,000ドル全値戻しをトライするも抜けきれず、3月の利下げ見送りで失速する、そうした展開を予想している。