先週の日経平均株価ですが、週末2月9日(金)の取引は3万6,897円で終えました。

 週足ベースでは2週連続で上昇し、前週末終値(3万6,158円)からも739円高(2.04%高)と上昇幅が大きくなったわけですが、それよりも印象的だったのは、取引時間中に節目の3万7,000円台に乗せたことの方かもしれません。

 終値ベースではまだ乗せきれていないものの、2024年に入ってからの高値を更新しています。新値(しんね)については、「新値には黙ってついて行け」という相場格言があります。高値を更新するだけの理由があるから素直に上方向を見た方が良いという考え方がその背景にあります。

 とはいえ、最近までの株価が急ピッチで上昇してきただけに、高値警戒感や相場の過熱感などの見方もあり、「株価はどこまで上値を追えるのか?」「上昇トレンドが調整へ転じてしまう可能性はないのか?」が気になることころです。

 そこで、今回は株価の上昇が続いた場合の目安や、相場のムードの変化を捉える視点などについて、考えて行きたいと思います。

取引時間中の日経平均は3万7,000円台乗せ。次の目標値は最高値?

 まずは、いつものように、足元の日経平均の状況から確認して行きます。

図1 日経平均(日足)とMACDの動き(2024年2月9日時点)

出所:MARKETSPEEDIIを元に筆者作成

 あらためて先週の日経平均の値動きを振り返ると、3万6,000円水準の攻防から、週末にかけて上昇していく展開となりました。

 上の図1については、ローソク足が更新されているものの、記載されている内容自体は前回・前々回と変わっていません。上値の目安は、昨年10月安値から11月高値の上昇幅(3,315円)の「*E計算値」である3万7,168円だったのですが、週末9日(金)の高値が3万7,287円でしたので、上値の目標をクリアしたことになります。

*E計算値…上昇トレンドの場合、上昇幅と同じように、その前の高値から上昇するという計算方法

 もっとも、9日(金)のローソク足が上ヒゲの長い「十字足」であることや、下段のMACDがまだシグナルを上抜けていない点など、気になるところはあるものの、日足チャートを見る限りでは上方向への意識は続いているように感じられます。

 では、日経平均における「次」の上値はいくらになるのでしょうか?下の図2は、週足ベースでみた目標値の計算状況です。

図2 日経平均(週足)と目標値計算(2024年2月9日時点)

出所:MARKETSPEEDIIを元に筆者作成

 先ほどの図1では、日足ベースの上値目標をクリアした点について述べましたが、週足ベースでも、先週の株価上昇によって、図2のV計算値(3万7,057円)をクリアしたことが分かります。

 次の目標となるのは、「N計算値」である3万9,037円となるわけですが、すなわち、日経平均の最高値(3万8,957円)を更新することでもあります。

 ここをクリアするには日経平均がさらに2,000円ほど上昇していく必要があり、それだけの買いのエネルギーが持続するのか、もしくは出てくるのかなどが今後の焦点になっていきますので、買いのエネルギーについても考えて行きます。

 足元の株高について、買い材料をざっくり整理すると、国内の要因と米国の要因に分けることができます。