小頻度でテスト当日に都市部で大雪

「いつも雪」における大規模な負の出来事とは、共通テストの日に大都市で見られた大雪です。大勢の受験生を抱える大都市で大雪が降り、電車などのダイヤが乱れ、それまで勉強にいそしんできた受験生がその成果を発揮できない可能性が生じたことがありました。

 2005年1月16日の共通テスト二日目の午後、仙台で9センチ程度、雪が降りました。2006年1月21日の一日目のほぼ終日、東京で10センチ程度、2011年1月16日の二日目の午後、名古屋で11センチ程度、2017年1月14日の一日目から15日の二日目にかけて名古屋で3センチ程度の降雪が確認されました。

図:大学入学共通テスト(共通一次試験・センター試験含む)期間中の最大降雪量 単位:cm

出所:気象庁のデータおよび文部科学省の資料をもとに筆者作成

 上の図のとおり、これらはいずれも期間(3)の2002年から2024年の間で起きました。このことで、仙台、東京、名古屋の期間(3)の最大積雪量は、三つの期間を通じてそれぞれ最大になりました。

 先述のとおり豪雪地帯を除けば、全国的には共通テストの日に降雪は確認されにくくなっていますが、大都市での大雪が小頻度で見られるようになっています。(札幌と新潟の最大降雪量が減少した点は、全国的にテスト期間中に降雪が確認されにくくなっていることと方向性が同じである)

 テスト当日に大都市が大雪に見舞われたという大規模な負の出来事が「いつも雪」というイメージを作ったと考えられます。小頻度であるため、「いつかまたテスト日に大雪が降るかもしれない」という危機感が保持されています。

 この危機感の保持が「いつも」のイメージを持続させていると考えられます。受験生に注意を促す意味でなされる報道もまた、イメージ持続の要因になっている可能性があります。