ふるさと納税で寄付を行う自治体の数が5つ以内ならば、ワンストップ特例制度が使える

「確定申告で寄付金控除の手続きをしてください」と言われても、確定申告した経験のない方には、とてもハードルが高いことです。しかし、確定申告しなくても、ふるさと納税の寄付金控除を受ける方法があるからです。それが、「ワンストップ特例制度」です。

 1年間に「ふるさと納税」で寄付する自治体の数が5つ以内ならば、確定申告をしないでも、ふるさと納税の寄付金控除を受けることができます。それが、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」です。ふるさと納税を行う際に、寄付を行う自治体に、「ワンストップ特例の適用を受ける申請書」を提出する必要があります。

 ワンストップ特例を使う場合は、所得税は減りません。住民税だけで、「ふるさと納税額−2,000円」分、納税額が減ります。先に例に挙げた、5万円まで実質2,000円負担で寄付できる方の場合、5万円をワンストップ特例で寄付すると、確定申告しないでも、4万8,000円だけ、ご自身が納める住民税が減ることになります。

楽天ふるさと納税サイト」などを通じて、ふるさと納税(寄付)を行う際、「ワンストップ特例申請書の送付」について、「希望する」を選択すれば、後で、寄付をした自治体から、申請書が送付されてきます。

 送付方法は、自治体により異なります。封筒に入れて送ってくることが多いですが、返礼品の中に一緒に入っていることもあります。送られてきた申請書に必要事項を書き込み、「マイナンバー」関連の必要書類を添付して返送すれば手続き完了です。

 返送用封筒は、入っている場合と入っていない場合があります(それも自治体により異なります)。入っていない場合は、自分で返送用封筒を作成して、返送してください。

 寄付した翌年の1月10日までに、申請書が自治体に着かなければならないことに注意してください。2023年のふるさと納税ならば、2024年1月10日(昨日)までに提出する必要があります。本日時点でまだ手続きができていない方は、まず寄付する自治体に相談してください。

 2024年のふるさと納税ならば、2025年1月10日までに提出する必要があります。ワンストップ特例申請書が届いたら、必ず必要事項を書き込み、すぐ返送するようにしましょう。

 締め切りに間に合わなかったときは、「確定申告」すれば寄付金控除を受けることができます。「ワンストップ特例申請書」の提出が間に合わなかったとき、忘れたときは、「確定申告」しましょう。

 確定申告で寄付金控除を受けるときは、寄付する自治体が何件でも(5件を超えても)問題ありません。

「ふるさと納税」最初の一歩!何はともあれ、まず、ご自身の「寄付上限額」を知ろう

 年収、家族構成、扶養家族の人数などの条件により、ふるさと納税で自己負担額が2,000円を超えずに寄付できる「寄付上限額」が決まります。その上限額を知らないことには、ふるさと納税は始められません。

 まず、以下の楽天ふるさと納税サイトの「かんたんシミュレーター」から、ご自身がふるさと納税の寄付金控除を受けられる「寄付上限額」の目安を、調べる必要があります。

楽天ふるさと納税「かんたんシミュレーター」

 ここで、「年収(2024年の見込み額)」「家族構成」「扶養家族」に関する情報を入力していただくと、寄付上限額(目安)が表示されます。

 そこで表示される金額の範囲内で、毎月少しずつふるさと納税をやっていくのが良いと思います。

 確定申告する予定ならば、何件に寄付してもOKです。ワンストップ特例制度を使うならば、寄付する自治体の数が年間で5件以内となるように考えて、1自治体への寄付額を決める必要があります。

 寄付する時期によって、返礼品は異なります。「1~3月」「4~6月」「7~9月」「10~12月」に分散して寄付すると、春、夏、秋、冬に、季節おりおりの返礼品を楽しめます。

 12月が近づき、2024年の年収額がほぼ分かるようになり、寄付上限いっぱいまでふるさと納税を行う際には、「かんたんシミュレーター」ではなく、「詳細版シミュレーター」で、正確に計算する必要があります。

楽天ふるさと納税「詳細版シミュレーター」

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