MSCIコクサイと日経平均に連動を目指す低コスト投信に注目

 来年1月に始まる新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)を目前に個人投資家の国際分散投資への関心が高まっています。参考にしたいのが、日本の公的年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の「基本ポートフォリオ」です。

 GPIFは世界最大規模とされる約219兆円もの巨額資金を、基本ポートフォリオ(日本株式25%+外国株式25%+日本債券25%+外国債券25%)に沿って分散投資しています(四半期ごとにリバランス(配分調整)しています)。

 株式部分を100%とすると日本株式に5割、外国株式に5割を配分していることになります。外国株式の約98%が米国株を中心とする先進国株に振り向けられています。そこで注目したいのが「MSCIコクサイ指数」と呼ばれる「日本を除く先進国株式に分散投資する時価総額加重平均指数」です。

 図表2は、MSCIコクサイ指数(円換算)と日経平均株価(225種)の推移を検証したものです(2021年初=100)。例えば、すでに日本株(個別銘柄や日本株の追加型投信)を保有している投資家は、MSCIコクサイ指数に連動を目指す追加型投信を保有することで内外株式にバランスよく分散投資するポートフォリオを構築可能です。

「ホームバイアス」と呼ばれる日本居住者としての思い入れや相場観に応じて「日本株式+外国株式」で構成する国際分散投資をイメージすることが可能です。

 楽天投信投資顧問は12月22日、同種類の投資信託で最も安い信託報酬(年率)を目指す「楽天・プラス」シリーズのインデックス投信として、「楽天・先進国株式(除く日本)インデックス・ファンド」(信託報酬:年率0.088%)と「楽天・日経225インデックス・ファンド」(信託報酬:年率0.132%)を発売しました。

 楽天証券が受け取る手数料を受益者に還元するため、両ファンドの実質的なコスト(受益者負担)を一段と引き下げたことが投資家の関心を引き付けています。

<図表2>MSCIコクサイ指数(円)と日経平均には分散投資効果が見込める

出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2021年初~2023年12月20日)