予想に反して大きく上昇した2023年の日本株
もうすぐ2023年も終わり、2024年を迎えます。そこで今回は、2024年の相場展望と題して、筆者が2024年の株式マーケットを迎えるにあたり、現時点で気になっていることをお話したいと思います。
筆者は正直、2023年の日本株は下落すると思っていました。米国のインフレ高止まりから景気悪化となり株価が大きく下落、日本株もそれにつれて下落するという相場観を持っていました。
ところが実際は、日経平均株価は2022年末の終値から20%を大きく超える上昇となりました。
筆者は相場観を誤った場合も、株価のトレンドについていくようにしていますので、株価上昇局面では買いに回ったりしましたが、何度か空売りを強めに入れたことがあり、その損切りが結構なダメージとなってしまいました。
2023年も相場観とは真逆の展開になりましたし、筆者が将来の株価を予想したところで当たるとも思いません。そこで、相場観というよりは、「こうなるかもしれないなあ」と気になっている点をお伝えしていきたいと思います。
過去の株価暴落前との共通点があるのが非常に気になる
筆者が最も気になっているのが、過去の株価暴落前の日経平均株価と金利との関係性につき、共通点が足元で出現しつつあるということです。
過去、2000年にITバブル崩壊、2008年にリーマン・ショックがありましたが、その直前の日経平均株価が高値を付けた時期と、米国10年物国債利回りが高値を付けた時期をみると、次の通りとなります。
・ITバブル崩壊時
日経平均株価高値:2000年4月
米10年国債利回り高値:2000年1月
・リーマン・ショック時
日経平均株価高値:2007年7月
米10年国債利回り高値:2007年6月
このように、まず米国10年物国債利回りが高値をつけ、次いで日経平均株価が高値を付けた後、株価が大きく下落しているのです。
そして足元では次のようになっています。
日経平均株価高値:2023年11月
米10年国債利回り高値:2023年10月
つまり、足元では、ITバブル崩壊時やリーマン・ショック時と同様の日経平均株価、米国10年物国債利回りの関係性となっています。
これをたまたまの偶然とみることももちろんできますが、筆者は2024年の株式マーケットが波乱の展開になる可能性を大いに想定しておいたほうがよいと考えています。
多くの専門家・評論家が「米国は2024年に景気後退したとしてもソフトランディングとなる」と語っていますが、そうならない可能性もありますから油断は禁物です。
横ばいの続く日経平均株価が上に抜けるか下に抜けるかを要注目
相場観を持つのは良いと思いますが、上がるか下がるかを予想して、それに固執するのは危険です。そうではなく、株価が動いた方につくというトレンドフォローの戦略を取った方がうまく行く可能性が高いと筆者は考えます。
その観点から日経平均株価の日足の株価チャートをみると、6月から半年ほど横ばいの動きになっています。11月20日の3万3,853円46銭、10月4日の3万0,487円67銭をそれぞれ上限、下限としてボックス圏の動きが続いているわけですが、今後、この上限を上抜ける、もしくは下限を下抜けることがあれば、筆者はその動きに素直についていこうと思います。
2023年4~6月ごろの日経平均株価の大きな上昇をみてもわかるように、株価が横ばいから上放れた場合は、その後上昇トレンドになることが多いです。
個人的には、11月20日の高値を超えたところは買い時になると考えています。逆に、10月4日の安値を割り込んだ場合は、さらなる大きな下落の可能性も想定しておく必要があります。
日経平均株価の日足チャート(2023年3~12月)
そろそろ成長株に資金が回ってもおかしくないが…
日経平均株価は2023年、大きく上昇しましたが、東証グロース市場250指数(旧マザーズ指数)は2022年同様、2023年もぱっとしない1年でした。
すなわち、小型成長株の多くが株価上昇とならず、逆に株価が下落してしまったものも数多くありました。
これは、インフレ・金利上昇により将来成長株があげることができるであろう利益の現在価値が大きく低下してしまったことが主因と思われます。
ただ、その成長株の下落の理由が業績悪化であれば致し方ないのですが、業績は好調で、単に利益の現在価値の低下によるものというケースも多いです。その場合、企業成長そのものは続いていますから、確かに一頃のようなPER(株価収益率)100倍超まで上昇したときのようなスピード感はないものの、着実に株価が上昇していく可能性も大いに考えられます。
こうした面から、ここ2年ほど売り込まれている成長株にも、改めて注目したいと思っています。
東証グロース市場250指数の日足チャート(2023年3~12月)
以上、筆者が現時点で思っていることをお話してきましたが、正直根拠があるわけでもなく、単に「こう思っている」というだけです。
最終的には「株価は株価に聞け」というのが筆者のスタンスなので、今後株価が上がろうと下がろうと、株価のトレンドの変化には常にアンテナを張っておきたいと思います。
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