「みんなで渡れば怖くない」だと、投資で負ける

「その結論は、ヒューリスティックスによって得たものだ、と自覚しているかどうかがポイントです。そのラーメン屋がまずかったら、どうしますか? また同じような失敗が起きますよ。『多くの人がやっているから大丈夫』というような群集心理で判断・行動したという自覚が必要です。昔、『赤信号、みんなで渡れば怖くない』というギャグがありましたが、投資でそういう心理に陥ると、こんなミスが出ます。

〇人気を集めて買いが集中している銘柄なら、もっと上がりそうだと推論して、値上がりした後から買って高値つかみする

〇皆が買っていれば自分も買い、皆が売り出せば自分も売る、という取引をして、買い遅れたり、底値で売ってしまう

 本来なら、皆が買い始める前に買って、売り始める前に売るのが理想です。いずれにしても、自分の心の動きを知っておくことは大切です。というわけで、行動経済学、行動ファイナンスの話をしていきます」

「行動ファイナンスですか、経済学ではなく?」
「ははは。経済の話が嫌いだったね。まあ、ついてきてください」
「先生、嫌いだなんて、一言も…いや、言ったかもしれません」
「まあいいですよ。ともかく、従来の経済学は『人は利益の追求のため常に合理的に行動する』という前提で理論ができています。しかし、現実には、人間だからこそ、常に合理的に行動するわけではありません。だから、実際には、人はどのように意思決定し行動するのか、なぜ時として非合理的な行動をするのか、という研究をする『行動経済学』という学問があります。その『行動経済学』にもとづいて投資の理論に落とし込んだのが、行動ファイナンスです。君に伝えたいのは、そんな言葉の説明より、行動ファイナンスを知らないがゆえに、非合理的な行動をしてしまい、投資のリターンを下げてしまうことがないように、ということです」

「知らないと、損する、ということですかね」
「まぁ、そういうことで、いいでしょう」

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