ナスダック100指数の年初来リターンは+44.6%に向上

 10月下旬から米長期金利が落ち着きを見せて以降、ナスダック相場の反発が米国株式の復調をけん引しています。中でもナスダック100指数は、年初来高値をつけた7月18日から10月26日までの下げ幅の98.6%を埋め戻しました(年初来上昇率は+44.6%)。

 ナスダック100指数は、時価総額加重平均指数(金融を除くナスダック上場100社で構成される)で、時価総額が大きいビッグテック銘柄の値動から大きな影響を受けます。

 図表2は、ナスダック100指数を構成する時価総額上位10社の年初来騰落率を比較したものです。

 特にGAFAM(アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ)にエヌビディアとテスラを加えたビッグテック銘柄は「The Magnificent Seven」(壮大な7銘柄)と呼ばれ、各銘柄の年初来上昇率はS&P500はもちろんナスダック100指数の年初来上昇率を上回っています。

 これらビッグテック銘柄の株価が堅調である背景としては、AIの進歩を中心とするイノベーション(技術革新)のエンジン役を担うプラットフォーマーとしての役割が期待されていることや、財務基盤やキャッシュフローが盤石で金利上昇への耐性が見込まれていることが挙げられます。

 こうした中、前週と今週はマイクロソフトの株価が上場来高値を更新したことが注目されました。同社のAIへの積極的な取り組みや第3Q(2023年7-9月期)決算発表で明らかとなったクラウド事業の好調が評価されています。市場では早くも「近い将来マイクロソフトの時価総額が(現在1位の)アップルを抜く可能性がある」との見方も浮上しています。

 今週はエヌビディアも上場来高値を更新しました。ナスダック100指数は2024年以降の利益成長を織り込みながら優勢を続けると見込んでいます。

<図表2>ナスダックの復調をけん引するビッグテック銘柄

(出所) Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2023年11月15日)