今「安い」プラチナの投資効率に注目

 現在の価格水準がとてつもなく「高い」銘柄を目の当たりにした時(金(ゴールド)に限らず)、投資家の皆さまはどのような考えをお持ちになるでしょうか。

・上がり切ってしまった。これから投資を始めても利益を得られないのではないか。
・今高いということは、今後安くなる可能性もある。保有した場合にリスクが発生し得る。
・以前にこれ以上上がらないと予想したが、予想に反して上昇した。相場予想は難しい。
・上がる前の安い時に買っていれば、利益を得られたのに。

 などではないでしょうか。「高い」ことは、例えばこれから投資を始める上で、ハードルの一つになり得ます。では逆に現在の価格水準が「安い」銘柄であればどうでしょうか。ここでは金(ゴールド 9,582円)と、それに比べて格段に「安い」同じ貴金属のプラチナ(4,303円)に注目します(ともに税抜)。

図:金(ゴールド)とプラチナの価格水準が生む印象 価格(税抜)は11月10日時点

出所:筆者作成

 価格水準が「安い」場合、上記のプラチナのような印象をお持ちになる方もおられると思います。金(ゴールド)に比べて価格が格段に安いため、プラチナ投資を始める上でのハードルは、金(ゴールド)投資のそれよりも低いといえるでしょう。

 以下の図のとおり、現在のプラチナ価格(4,303円)は金(ゴールド)価格(9,582円)の半値以下です。プラチナ単体で見た場合、現在の価格は自身の過去の高値(2008年7月の7,079円)に比べておよそ四割も安いです。また、現在の価格はリーマンショック(2008年)や新型コロナショック(2020年)時の安値(長期視点の安値目安)に程近いという特徴もあります。

図:国内の金(ゴールド)とプラチナの価格推移(税抜) 単位:円/グラム

出所:国内大手地金商のデータをもとに筆者作成

 現在のプラチナ価格は、相対評価(金(ゴールド)との比較)でも、絶対評価(プラチナ自身との比較)でも、割安だといえるでしょう。この点は、投資家の皆さまの投資判断に大きな影響を及ぼし得る要因であると、筆者は考えています(もっと評価されても良い)。

 長期投資を前提にした一括投資や積立投資を効率化させるために必要なことは、今「安い」ことです。今安ければ、価格の上昇余地(利益の拡大余地)を確保したり、利益の源泉ともいえる保有数量を効率的に増やしたりすることが期待できるためです。金(ゴールド)とプラチナのどちらがこうしたメリットを享受しやすいでしょうか。割安なプラチナだと、筆者は考えます。