米景気ソフトランディングかハードランディングか、決着つかず

 過去2年、米景気がソフトランディングするかハードランディングするか、延々と議論が続いてきましたが、いまだに結論が出ていません。

日経平均・ナスダック総合指数比較:2021年末~2023年9月22日

出所:2021年末の値を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 2022年はハードランディングの不安が勝り、ナスダックの下落トレンドが続きました。2023年に入り、米景気が堅調なうちに、米インフレが低下してきたことから、ソフトランディングの期待が高まりました。それでも、FRBがいつまでも利上げを続ける姿勢を崩していないことに不安はあります。

 8月前半は、米国債格下げショック(米格付会社フィッチが米国債の格付をAAAからAA+へ1段階引き下げ)をきっかけに米長期金利が4%台に乗せると、ナスダックは下落しました。8月後半は、ソフトランディングへの期待が復活し、ナスダックは反発しました。

 ところが、8月の米CPI(消費者物価指数)が3.7%まで上昇したことを受けて9月は金利上昇不安が蒸し返され、ナスダックは下落しました。9月20日のFOMCでFRBが金融引き締め長期化の見通しを示し、米長期金利が4.4%台に乗せたことが嫌気されました。