相場が上下に変動しやすい今週末の重要イベントまとめ

 日米金融会合決定の前の21日には、BOE(英国中央銀行)のMPC(金融政策委員会)が開催されます。0.25%の利上げ予想となっていますが、ECB(欧州中央銀行)理事会のように次回利上げについて言及しないことも予想されるため注目です。

 ハト派色が強い場合、FOMCへの期待が変化する可能性もあり、注意する必要があります。また、英国8月CPIがMPCの前日20日の午後3時に発表されます。前月比、前年比で前月より上昇予想となっており、コア前年比は低下予想となっています。予想を大きく外れれば、MPCに影響を与える可能性もあるため注目です。

 このように、20日、21日、22日と重要イベントが集中していることから相場が上下に動きやすいため注意が必要です。FOMCは19~20日の開催、英国MPCは21日、日銀は21~22日の開催となります。結果が出る時間は日本時間で以下の通りとなります。

9月20日 午後3時 英国8月CPI
9月21日 午前3時 FOMC声明文発表(政策決定)
午前3時30分~ FRBパウエル議長の記者会見
午後8時 英国MPC政策決定
9月22日 午前8時30分 日本8月CPI
正午前後 日銀政策決定
午後3時30分~ 日銀植田総裁の記者会見

中銀開催日の「先攻」と「後攻」、どちらにメリットがあるかはいまだつかめず

 中銀ウイークとは、中央銀行の金融会合の開催時期が近接し、しかも集中している週のことです。年に何回かありますが、発表時間が集中しているため、各国中銀の決定によって為替相場は猫の目のようにころころ変わる可能性もあるため注意が必要です。

 今回の中銀ウイークは、6月、7月と同様、日銀の開催時期がFOMC後となる「後攻」となりますが、10月は日銀が「先攻」となります。日銀は10月30~31日、FOMCは10月31日~11月1日に開催されます。

「先攻」の場合、FOMC直前に日銀会合が開催されるため、相手の出方を考慮せず、自由に政策決定できるメリットがある半面、相手の出方を確認してから政策決定をできるメリットはなくなります。また、後攻の政策決定によって先攻の政策効果が減退する可能性もあります。

 例えば、日銀がマイナス金利を解除して(利上げ)円高に動いた後、FRBの0.25%の利上げによってドル高になり、日銀の決定による円高を帳消しにする場合です。

 場外からみれば後攻の方が有利に思えますが、米国の決定を気にせず、自由に決定できる先攻の方が政策の選択肢が広がるのかもしれません。そういう意味では、今回、種をまき、次回10月の先攻でマイナス金利を解除するという思い切った政策を取りやすいかもしれません。

 来年、米国景気が後退し、FRBが利下げを始めると、日銀の引き締め方向への政策変更はより難しくなるかもしれないからです。

 日銀にとって、先攻と後攻、どちらにメリットがあるのか実際のところ分かりませんが、こういう考え方もあるということを参考にすると見方が広がるかもしれません。