「三大割安株」投資の参考銘柄、PBR1倍割れから選別

 三大割安株は、2023年に軒並み急騰しています。それでも株価指標でみると「まだ割安」と判断しています。予想配当利回りの高い銘柄が多く、引き続き投資価値が高いと判断しています。

 そこで、今日は「かぶミニ」を使って三大割安株を「金融株」「資源関連株」「製造業」に分けて、まとめて買う方法をご紹介します。今日は、中でも、PBRが1倍を割れている銘柄から選別します。

 日本では、解散価値であるPBR1倍を割り込んだ銘柄が東証プライム市場でも半数以上あります。これに対し、東京証券取引所(東証)が、PBR1倍割れ銘柄に対し、株主価値の改善策の開示・実施を要請したことが話題となっています。この要請を受けて、財務内容が良好なのにPBR1倍を割れている銘柄には、これから、自社株買いを増やす動きが続くと予想しています。

三大割安株、PBR1倍割れから選別した投資の参考銘柄:2023年9月13日時点

出所:楽天証券経済研究所が作成。配当利回りは1株当たり配当金(今期予想)を9月13日株価で割って算出。今期とはINPEX・クラレは2023年12月期、その他銘柄は2024年3月期のこと。1株当たり配当金は、会社予想。PERは、今期1株当たり利益(会社予想)を9月13日株価で割って算出。告知事項:筆者は三井住友FG株を9,000株保有

 ご覧いただくと、配当利回りが高く、PER・PBRが低い銘柄が多いことがわかります。財務が良好で、利益も配当もしっかり出しているのに不人気で、株価が長く低迷してきたために、足元株価が急騰していても、なお株価指標で割安と判断できる水準です。

 上記の三大割安株について、筆者は「買い」と判断しています。ただし、個別銘柄のリスクは大きいので、なるべく複数銘柄をセットで買った方が良いと思います。以下、楽天証券のかぶミニを使って、金融株・資源関連株・製造業の割安株に幅広く分散投資する方法をご紹介します。それぞれ9月13日時点で、約2万円で買えるポートフォリオとしています。

金融株・資源関連株・製造業のかぶミニポートフォリオ:2023年9月13日時点

金融株ポートフォリオ(予想配当利回り3.3%)
銘柄名 配当利回り 株価 投資株数 投資金額 投資比率
三菱UFJ FG 3.1% 1,317.0 5 6,585 33.5%
三井住友FG 3.4% 7,419.0 1 7,419 37.7%
オリックス 3.3% 2,841.0 2 5,682 28.9%
合 計 3.3%   8 19,686 100.0%
資源関連株ポートフォリオ(予想配当利回り3.6%)
銘柄名 配当利回り 株価 投資株数 投資金額 投資比率
INPEX 3.3% 2,241.5 3 6,725 34.7%
ENEOS HD 3.7% 591.5 11 6,507 33.5%
住友商事 3.9% 3,083.0 2 6,166 31.8%
合 計 3.6%   16 19,398 100.0%
製造業ポートフォリオ(予想配当利回り2.9%)
銘柄名 配当利回り 株価 投資株数 投資金額 投資比率
本田技研工業 2.0% 5,061.0 1 5,061 26.0%
クラレ 3.0% 1,692.0 4 6,768 34.8%
三菱ケミカルG 3.4% 952.0 8 7,616 39.2%
合 計 2.9%   13 19,445 100.0%
出所:楽天証券経済研究所が作成、投資金額合計には買付にかかるマーケットインパクト、スプレッドを含めていない

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