昨日(2016年06月09日)の動向

週前半に雇用統計後の高値となる107.90円まで上昇した米ドル/円は、上値の重さを確認して折り返すと、この日はレンジの下限を探る動きとなりました。

中曽日銀副総裁が講演で、「マイナス金利が金融機関の収益面だけでなく、取引面やシステム面などでさまざまな影響が生じている」、「大規模な国債買い入れが、かく乱的な影響を与えている」など、日銀緩和政策の副作用を認める見解を示したことにマーケットが反応。日本の大手銀行が、マイナス金利政策による国債の運用難を理由にプライマリーディーラーの資格を返上する動きもあることから、今月の日銀会合での追加緩和の可能性は低くなったとして、米ドル/円が売られました。

米ドル/円は欧州時間に、5月4日安値水準の106.24円まで下げてレンジの下限とした後は買戻しが優勢になり、NY時間午後には107.17円まで反転、この日の高値をつけました。終値は106.98円(前日比-0.398円)でした。

ユーロ/ドルは、約1ヵ月ぶりの高値となる1.4115ドルまで上昇後、反落。1.1305ドルまで下値を切り下げました。英国のEU離脱は、ユーロ圏にもマイナスの影響を与えるの懸念が、ユーロ売りの材料となりました。米ドル/円とユーロ/ドルが共に下げたことで、ユーロ/円は大きく下落。安値は120.32円と今年の安値を再び塗り替え、2013年4月以来のレベルに迫りました。

一方、RBNZの金利据え置きとインフレに対する楽観見通しで急上昇したNZドル/円はその勢いを保ち、76.34円まで高値を更新しました。

2016年06月09日のBID値 始値 高値 安値 終値
米ドル/円 106.999 107.175 106.248 107.072
ユーロ/円 121.935 121.950 120.322 121.173
豪ドル/円 80.096 80.200 78.987 79.574

米ドル/円 1時間チャート

米ドル/円 1時間チャート

ユーロ/円 1時間チャート

ユーロ/円 1時間チャート

豪ドル/円 1時間チャート

豪ドル/円 1時間チャート

本日(2016年06月10日)の展望

【米ドル/円】

レジスタンスは108.84円(2016年06月03日高値圏)、サポートは 106.24円(2016年06月09日安値圏)です。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
米ドル/円 108.84 109.58 106.24 105.51

米ドル/円 5分足チャート

米ドル/円 5分足チャート

【ユーロ/円】

 

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
ユーロ/円 122.70 123.31 119.10 118.70

ユーロ/円 5分足チャート

ユーロ/円 5分足チャート

【豪ドル/円】

 

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
豪ドル/円 80.80 81.95 78.03 77.50

豪ドル/円 5分足チャート

豪ドル/円 5分足チャート

  • 上記各5分足チャートは、当日 2016年06月10日 現在のものです。
  • コメント欄の語句について R=上値抵抗線 S=下値支持線

本日(2016年06月10日)の主な指標

注目度 発表時間 指標 予想 前回
★★★ 21:30 (加) 5月新規雇用者数 0.10万人 -0.21万人
★★★ 21:30 (加) 5月失業率 7.1% 7.1%
★★ 23:00 (米) 6月ミシガン大学消費者態度指数・速報値 94.0 94.7
★★ 27:00 (米) 5月月次財政収支 -560億ドル 1065億ドル
  • 発表時間はいずれも東京時間
  • 注目度は★低~★★★高で示します