投資信託の失敗を避ける3カ条

 L夫人の失敗から学べる、運用失敗回避方法は以下のようになります。

 いかがでしょうか。商品の特徴や概要は、目論見書の冒頭に大きく記載されています。普段はなかなか目論見書をじっくり読み込むことはないかもしれませんが、少なくとも目論見書には目を通し、不明な点があれば金融機関担当者や販売元に説明を求めることをお勧めします。

苦い後悔が残る、L夫人の本当の失敗とは

 ここまで読んでくださった方は一つの疑問を持たれたかもしれません。2016年以降、米国を中心に世界の市況は回復傾向となりました。L夫人の資産も少なからず回復していそうです。

 しかし、実は本当に残念だったのは、L夫人が大きく資産を減らしてしまった時に保有していた投資信託はすべて売却し、株式などのリスク性資産が入らない安定的な商品を購入してしまったことです。

 L夫人はゆっくりでも安定的に回復していくような運用を希望する、と担当者に伝えましたが、損失が大きく出てしまったため担当者は「安定的」という言葉を聞き、またもや当時売れ筋となっていた「安全型商品」を提案し、結果的に市況回復の大部分を取り損なってしまっていたのです。

 L夫人の失敗から学ぶべき、最大の損失回復方法は、「目先の損に慌てて動かない」「適切なアドバイザーに相談する」そして「投資は継続する」だったといえます。