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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「日経平均下落、米国債格下げ・金利上昇を警戒。企業業績は好調」
フィッチ格下げで米・日株とも下落
先週(7月31日~8月3日)の日経平均株価は、前週の7月28日の終値から比較して、1週間で566円下落し、3万2,192円となりました。
8月1日、大手格付け会社フィッチ・レーティングスが米国債の格付けを最上級のAAA(トリプル・エー)からAA+(ダブルエー・プラス)に1段階引き下げた【注】ことをきっかけに、米長期(10年)金利が4%台まで上昇したことを嫌気して米国株が下落、つれて日経平均も売られました。
【注】フィッチの米国債格下げ
フィッチはS&Pグローバル、ムーディーズ・インベスターズ・サービスとともに、米国の三大格付け会社の一つ。格付けを最上級から1段階引き下げたのは、S&Pグローバル社が先で、2011年に引き下げ。今回フィッチ・レーティングスが追随した。米国の二大政党(民主党・共和党)の政争の具として、米国債務上限の引き上げ問題がしばしば取り沙汰され、「与野党が期限内に上限引き上げで合意しないと米国債がデフォルトする」という話が出ることなどが米国債の信用を傷付けているとしている。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは最上級を維持しているが、財政面の問題が続くと格下げの可能性もあるとしている。