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 7月米雇用統計のポイントは「米雇用統計は信じられない!A5ランク指標にC1ランク予想のリスク 7月米雇用統計 詳細レポート」をお読みください。

 BLS(米労働省労働統計局)が7月7日に発表した6月の雇用統計では、NFP(非農業部門雇用者数)は20.9万人増加した。これは、事前予想(+22.9万人)を下回る結果だった。また前回5月は33.9万人から30.6万人に下方修正された。業種別ではレジャー・ホスピタリティ業が最も多くの雇用を創出した。ヘルスケアや建設など他の業種も堅調な伸びを示した。

 失業率は3.6%で、前月より0.1ポイント改善して7カ月ぶりの低水準となった。失業率は2022年3月以来、3.4%から3.7%のレンジで推移している。また19歳以上の米国人口のうち、働く意欲がある人の割合を示す「労働参加率」は62.6%で、前月比横ばいだった。

 平均労働賃金の伸びは、前月比+0.4%、前年比+4.4%で前月比横ばい。平均労働賃金は2022年3月の5.6%をピークとして緩やかな下降してきたが、最近数ヵ月は4.4%前後で下げ止まっている。

 6月の雇用統計では、就業者の伸びが、この1年で初めて予想より少ない「ダウンサイド・サプライズ」となった。さらに過去分も合計110万人下方修正された。とはいえ、レジャー・ホスピタリティなどの業種を中心に採用意欲は旺盛で、2023年は平均すると毎月+30万人ずつ雇用が増えている。平均賃金の上昇率も下げ止まり状態だ。

 雇用統計の結果が、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合における政策決定の重要な判断材料になることは確かである。FRBがインフレ目標2%を是が非でも達成しようと考えているならば、雇用市場のクールダウンはまだまだ不十分だと考え、再利上げの可能性は残る。「インフレ率を下げるには、雇用市場の熱を下げる必要がある。」これがパウエルFRB議長の考えだ。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成