※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
米追加利上げある?日銀は緩和維持?日経平均どうなる?

先週の日経平均は、日米金融政策決定会合を前に上値重い

 先週(7月18~21日)の日経平均株価は、7月14日(金)の終値3万2,391円と比較すると、1週間で87円下落して3万2,304円となりました。日米とも発表中の4-6月決算はおおむね好調で、ダウ工業株30種平均(NYダウ)は1週間で2.4%上昇して年初来高値を更新しました。

 AI革命への期待で上昇が続いてきたナスダック総合指数(ナスダック)は、先週は0.6%と小反落しました。

 日経平均は6月半ばまでの上昇ピッチが速すぎたことからスピード調整となっています。7月25~26日にFOMC(米連邦公開市場委員会)、7月27~28日に日本銀行金融政策決定会合と重大イベントを控え、大きくは動きにくい展開が続いています。

日経平均・米ナスダック総合指数の週次推移比較:2021年末~2023年7月21日

出所:2021年末の値を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所作成

 今週の注目は、FOMCと日銀金融政策決定会合です。日米金融当局による事前の示唆通りとすると、FOMCでは、0.25%の追加利上げが決定されます。日銀の金融政策は現状維持で、大規模緩和が継続されます。FRB(米連邦準備制度理事会)からはタカ派トーン、植田日銀総裁からはハト派トーンの話しか聞こえてこないからです。

 ただし、本当にそれで良いのか、市場は疑念を持ち始めています。米国のインフレは、すでに大きく低下しており、これ以上の利上げが続くかどうか疑問です。日本は逆にインフレ率がかなり上昇しており、大規模緩和をいつまで続けられるか、疑問です。