米国高配当株5:MDCホールディングス(MDC)

 1972年に設立された米国有数の住宅メーカーです。住宅建設と金融サービスの二つの主要事業を展開しており、住宅建設事業ではリッチモンド・アメリカン・ホームズ の名称で、主に一戸建て住宅を一次取得者や二次取得者向けに建設・販売しています。

 成約件数ベースで全米第11位、住宅販売収入ベースで全米第9位の住宅メーカーで、上位50都市中13都市でトップ10に入る住宅メーカーでもあります。

 時価総額は35億ドルで、日本円で約4,900億円となっています(1USD=138円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「住宅建設事業(Homebuilding)」で、続いて「金融サービス事業(Financial Services)」となります。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

「住宅建設事業」では西部(アリゾナ州、カリフォルニア州、ネバダ州、ニューメキシコ州、オレゴン州、テキサス州、ワシントン州)、山岳部(コロラド州、アイダホ州、ユタ州)
、東部(アラバマ州、フロリダ州、メリーランド州、ペンシルベニア州、テネシー州、バージニア州)にて事業を展開し、「金融サービス事業」では住宅ローンを中心に事業を展開しています。

競合他社

 競合他社として、住宅建設会社であるKBホーム(KBH)、一戸建て住宅の設計・施工を行うメリテージ・ホームズ(MTH)、米国における住宅建設会社であるプルトグループ(PHM)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初から上昇して推移しており、配当は横ばいで推移しています。

 市場環境の改善と戦略的価格設定イニシアチブの組み合わせにより、第1四半期の新規純受注は、春商戦の開始に向けて買い手が市場に戻ってきたことから、当初成約予定数の 1,500~1,600 件を超え3カ月間で1,851棟を成約し、MDCHDの予想を大きく上回りました。

 このような状況により業績が好調に推移したことで株価は上昇しており、会社側は引き続き好調な業績が続くとの見通しであり、業界トップクラスの配当金であることからも今後も堅調な株価が期待されます。

業績動向

 2023年5月2日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。

 2022年第1四半期の業績には及ばないものの、2022年第4四半期から受注額が改善していることが業績を押し上げました。

 会社側は、新築住宅市場の競争相手となる中古住宅在庫は、ほとんどの市場で依然として不足しており、さらに雇用情勢は回復基調にあり、当社が建築を手掛ける地域の多くは、国内の他地域からの雇用や高賃金労働者の流入により、大幅な成長を遂げていると発表しています。

 また、このような業界の好材料に加え、よりお求めやすい価格帯の商品を中心に展開していることもあり引き続き好調な業績を予想しているとしています。

 次回2023年7月27日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 インフレ圧力に対抗するためのFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げにより30年固定住宅ローン金利が大幅に上昇したため、2022年下半期に業績は悪化しました。可能性は低いと思われますが昨年のようなインフレが進んだ際には業績悪化の恐れがある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.00ドル
配当利回り:4.10%
株価:48.75ドル(約6,700円)

 この銘柄、権利落ち日は8月中旬の予定(権利実施は8月下旬)です。

 配当利回りは718日時点で4.10%、株価は48.75ドルでおよそ6,700円から購入できます(1USD=138円計算)。

 2020年からの最高値は62.13ドル、最安値は15.44ドルとなっています(終値ベース)。

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