アップル入ってる?「時価総額3兆ドル」の存在感

 こうした中、6月30日にアップル(AAPL)が上場来高値を更新。時価総額が世界の上場企業として初めて3兆ドルを突破したことが注目されました。同社の株価は年初来で48.1%上昇。時価総額は円換算で約430兆円を超え、日本最大のトヨタ自動車の時価総額(約38兆円)の11倍超まで膨らみました(3日時点)。

 アップルの企業価値(≒時価総額=市場の評価)がここまで膨らんできた背景としては、同社の成長性と収益性が高い水準で両立していることが挙げられます。iPhoneやMacなどの製品(ハード)に加え、サービス収益(ソフト)が成長している一方、自動車(EVや自動運転車)やヘルスケアなど新しい分野にも積極的に進出していることが挙げられます。

 図表2は、米国市場の「ビッグセブン」について時価総額(単位:億ドル)が大きい順番に並べたものです。アップルはS&P500の時価総額ウエートで約7.7%を占めています。S&P500に連動を目指すインデックスファンドを保有することは、アップル株を同様のウエートで保有することを意味します。

 なお、日本の総合商社株に投資して注目されているバークシャー・ハサウェイの株式ポートフォリオにおけるアップルのウエートは46%超で断トツ1位です(2023年第1QのSEC報告書:フォーム13F)。CEOの著名投資家ウォーレン・バフェット氏は、アップルについて「われわれが所有するどの事業よりも優れた事業」と賞賛しました(5月に開催された年次株主総会)。

 バフェット氏の一番のお気に入り銘柄がアップルであることに注目です。ひと昔前に、(PCに)「インテル入ってる」(Intel Inside)とのCMが有名となりました。今や、機関投資家も個人投資家も(ポートフォリオに)「アップル入ってる?」(Apple in your portfolio?)との問いを無視できなくなりそうです。

<図表2>アップルを筆頭とする「ビッグセブン」の時価総額を比較する

(出所) Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2023年7月5日)