昨日(2016年11月03日)の動向

3日の米ドル/円は続落。アジア時間の日中に一時102.52円まで売られました。海外時間にはクリントン氏優位の調査結果が発表されたこともあって、一時103円台前半に戻りましたが、上値は重く、終値は102.960円(前日比+0.361円)でした。

イベントリスクが高まる米大統領選に備えてセーフヘブン通貨といわれる円とスイスが買われ、金先物のショートが買い戻され、ドルを売ってユーロを買う動きが強まっています。2日のFOMC声明文に12月利上げの踏み込んだ表現が盛り込まれなかったことに対する失望感もありました。

オセアニア通貨では、豪ドル/ドルは、ドル売りの動きとリスクオフによる豪ドル売りに挟まれてこう着状態に陥る一方、NZドルが買われています。失業率の低下や乳製品価格の持ち直しに加え、RBNZの利下げは今月を最後に打ち止めと見方が買い安心感につながり、NZドル/ドルはこの日、9月22日以来の高値となる0.7337ドルまで上昇しました。

ポンドは1.23ドル台から1.25ドル目前まで急騰。
英高等法院は、EU離脱を正式に開始するリスボン条約50条の発動には、英議会の承認が必要との判断を下しました。ハードブレグジットに進む英メイ首相に対して議会が大幅な譲歩を迫る権利を得たわけで、ポンドに対する不安感がやわらぎました。ただし、英国がEUに残留することになったわけではありません。英政府は上訴し、最終判断は最高裁に持ち越されることになります。

この日BOEは会合で政策金利の据え置きを決定しました。市場予想通りの結果でしたが、同時に公表された四半期インフレ・レポートでBOEがインフレとGDPの見通しを上方修正したことで、利下げは当面ないとの見方が広がったこともポンド買いを加速させました。

とはいえ、最終的にリスボン条約50条が発動されることはほぼ確実で、重要なのは、その後の英国経済がどうなるかということです。BOEの予想通り順調に成長するかどうかは疑問が残されます。

2016年11月03日のBID値 始値 高値 安値 終値
米ドル/円 103.321 103.440 102.522 102.960
ユーロ/円 114.648 114.767 114.011 114.346
豪ドル/円 79.144 79.309 78.455 79.093

米ドル/円 1時間チャート

米ドル/円 1時間チャート

ユーロ/円 1時間チャート

ユーロ/円 1時間チャート

豪ドル/円 1時間チャート

豪ドル/円 1時間チャート

本日(2016年11月04日)の展望

【米ドル/円】

レジスタンスは104.16円(2016年11月02日高値圏)、サポートは 102.52円(2016年11月03日安値圏)です。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
米ドル/円 104.16 105.55 102.52 101.20

米ドル/円 5分足チャート

米ドル/円 5分足チャート

【ユーロ/円】

ユーロ/円のレジスタンスは115.12円(2016年11月02日高値圏)、サポートは 113.70円(2016年10月27日安値圏)です。
ユーロ/ドルのレジスタンスは1.1145ドル(2016年10月11日高値圏)、サポートは 1.1049ドル(2016年11月02日安値圏)です。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
ユーロ/円 115.12 115.79 113.70 113.26

ユーロ/円 5分足チャート

ユーロ/円 5分足チャート

【豪ドル/円】

レジスタンスは80.65円(2016年11月01日高値圏)、サポートは 78.37円(2016年10月14日安値圏)です。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
豪ドル/円 80.65 80.98 78.37 77.35

豪ドル/円 5分足チャート

豪ドル/円 5分足チャート

  • 上記各5分足チャートは、当日 2016年11月04日 現在のものです。
  • コメント欄の語句について R=上値抵抗線 S=下値支持線

本日(2016年11月04日)の主な指標

注目度 発表時間 指標 予想 前回
★★★ 21:30 (米) 10月非農業部門雇用者数変化(前月比) 17.5万人 15.6万人
★★★ 21:30 (米) 10月失業率 4.9% 5.0%
★★★ 21:30 (加) 10月新規雇用者数 -1.5万人 6.72万人
★★★ 21:30 (加) 10月失業率 7.0% 7.0%
  • 発表時間はいずれも東京時間
  • 注目度は★低~★★★高で示します