習近平国家主席がビル・ゲイツと異例の会談

 ゲイツ氏は16日までの中国滞在中、ゲイツ財団のパートナーとの面談や、「イノベーションでグローバルな課題へ対処する」と題した講演を行ったりしましたが、最大のクライマックスは、何といっても、習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談だったと言えるでしょう。

 16日、習氏が釣魚台迎賓館でゲイツ氏と会談しました。国営テレビCCTV(中国中央電視台)が配信した映像を何度も見ましたが、中国側の「気合の入れ様」は相当なものでした。

 習氏が外国の首脳ではなく、一人の実業家とワン・オン・ワンで会談するのは非常に珍しいことです。しかも、共産党で外交を統括するトップである王毅(ワン・イー)党中央外事工作委員会弁公室主任兼中央政治局委員、政府で外交を統括するトップである秦剛(チン・ガン)国務委員兼外交部長も同席していました。

 要するに、中国の党・政府はオールスターでゲイツ氏との会談に臨んだということであり、その模様は国営新華社通信、中国外交部の公式サイトにてトップニュースとして広く報じられました。破格の扱いと言えます。

 そのニュースは、「習近平がビル&メリンダ・ゲイツ財団共同議長のビル・ゲイツと会談」と題されています。この見出しからも明確に見て取れるように、習氏率いる中国共産党は、ゲイツ氏を慈善家として受け入れており、その前提で会談を組んだということです。

 会談の中で、ゲイツ氏に対し「あなたは、私が今年に入って最初に北京で会った米国の友人だ」と語りかけた習氏は終始笑顔で、雰囲気も和やかでした。