習うより慣れよ、ワクワク感を持ってゲーム感覚でできるポジションから

 どうしたらデイトレードで勝てるか、いろいろ教えられるより実際にやってみた方が早く身に付きます。ただし、その前に、考えるべきことがあります。あなたが、デイトレードをやるべき人かどうか、考えてください。

 どちらが良いか、答えは皆さまの心の中にあります。株価チャートを見ながら売買タイミングを考えることにワクワクするならば、少しやってみて良いと思います。

 仕事や家庭が忙しくて株を売買するタイミングなんか考えたくない、株価チャートを見てもワクワクしないならば、デイトレードはせずに積み立て投資だけにすべきです。

 私は25年間、日本株のファンドマネジャーをやってきて、たくさんのファンドマネジャーを見てきました。勝ち続ける人にいろいろなタイプがありますが、一つの傾向があります。いつもゲーム感覚でワクワクしながら楽しんでいる人が勝ちます。負けた時は「やられたぁ」と笑って失敗をひきずりません。

 一方、非常に真面目でいつも真剣勝負、「お客さまの命の次に大切なお金を預かっている」と責任感の強いタイプは、往々にしてプレッシャーに押しつぶされてボロ負けします。

 したがって、私からの皆さまへのアドバイスは、「ワクワクするならやってみて、ワクワクしなくなったら止めましょう」。自分の心に従ってください。

 買っても負けても楽しめるポジションから始めることが大切です。「ゲーム感覚」でワクワクし続けられるポジションを超えてはダメです。それがいくらなのか、人によって異なります。

 あなたは100万円投資した株が10%値下がりしたら、「やられたぁ!次がんばろ!」と笑いながら損切りできますか?「そりゃ無理」と思うならば、100万円はあなたにとって、大き過ぎるポジションです。

 では10万円投資した株が10%値下がりしたら、笑いながら損切りできますか?「それも無理」ならば、10万円もあなたにとって、大き過ぎるということです。

 それでは1万円投資して10%下がったら、笑いながら損切りできますか? 1,000円の損です。「それくらいならば損切りできる」「でも笑いながらは無理かな」ならば、1万円から始めてOKと思います。

 デイトレーダーになるつもりのない方でも、少しだけデイトレードを経験するのは悪いことではないと思います。買っても負けても、必ずその日のうちにポジションを閉じる、負けた時は必ず損切りすることを繰り返すと、「損切り」がうまくなります。

 長期の資産形成であっても、損切りが必要な局面はあります。少しだけデイトレードを経験しておけば、その感覚を身に付けることができます。

 くれぐれも、ゲーム感覚でできる金額にとどめてください。金額が大き過ぎると「恐怖」や「欲望」が邪魔して純粋なトレードができなくなります。ゲーム感覚でできる範囲で勝負すれば、あなたの心の声・野性のカンに従って、トレードできます。それで良い結果が得られるか、チャレンジしてみてください。Good Luck!

 今日は、デイトレードにチャレンジする前の心構えについてお話ししました。毎週、木曜日に「かぶミニ」のレッスンをお届けしていますが、来週木曜日(6月8日)に、デイトレードで使える具体的なワザについて解説します。