外国人買いで日経平均高値、上がるも下がるも外国人次第の日本株

 今日は、日本株を動かしている外国人の売買動向を解説します。いつもお話ししている通り、日本株は過去30年以上、外国人投資家が動かしています。外国人は、買う時は上値を追って買い、売る時は下値をたたいて売る傾向があるので、短期的な動きは外国人次第で決まります。

 その外国人投資家は、4月以降、5月2日までの間に、日本株を約4.4兆円買い越しました(株式現物と先物の合計)。外国人の買いによって、日経平均株価は連日、年初来高値を更新しています。16日の日経平均は、前日比216円65銭(0.73%)高の2万9,842円99銭と、節目の3万円に迫る展開です。

 米国の著名投資家ウォーレン・バフェットが、日本株に強気で日本株を買い増しすると発言していることが注目されていますが、バフェットだけでなく、外国人投資家は今、米国株より日本株に投資魅力を感じているようです。

日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額、株式現物と先物の合計):2021年1月4日~2023年5月16日(外国人売買動向は2023年5月2日まで)

出所:東証データより楽天証券経済研究所が作成
注:外国人売買は、2021年は株式現物と日経平均先物の合計。2022年以降は株式現物と日経平均先物、日経平均ミニ先物、TOPIX先物の合計。棒グラフが上(プラス方向)に伸びているのは買越、下(マイナス方向)に伸びているのは売越を示す

 以下、2021年以降の日経平均の動きと、外国人の売買動向を簡単にレビューします。

【1】2021年:日経平均は狭いレンジのボックス推移

 2021年は外国人の日本株売買方向が定まらず、売り買いがめまぐるしく替わっています。すごい勢いで買い始めたと思っても長続きせず、すぐ売りに転じます。すごい勢いで売り始めたと思っても、それも長続きしていません。

 その結果、2021年の日経平均はトレンドが出ず、狭いレンジの上げ下げを繰り返しました。

【2】2022年:日経平均は年初大きく下落したが、4月以降は狭いレンジのボックス推移

 2022年に入り、1~3月は外国人の売りで大きく下がりました。ただし、4月以降は、外国人の売買方向が定まらず、売り買いが頻繁に入れ替わる展開となりました。その結果、4月以降の日経平均はトレンドが出ず、狭いレンジの上げ下げを繰り返しました。

【3】2023年(5月16日まで):日経平均の上昇続く

 2023年に入り、外国人投資家は日本株の買い越しを続けています。3月は売り越しましたが、1~2月、4~5月は買い越しが続いています。特に、4月以降、外国人が4.4兆円(現物+先物)買い越したことで、日経平均は2021年以来の高値更新が続いています。

 さて、外国人投資家の買いは続くのでしょうか? その話に入る前に、外国人が日経平均を派手に急落・急騰させた2020年の動きをレビューします。