今週の重大イベント:5月3日FOMC結果発表

 今週の重大イベントは、5月2~3日のFOMC(米連邦公開市場委員会)です。3日(日本時間では4日の午前3時)に、結果が発表されます。

 0.25%の利上げが実施されるか、あるいは利上げが停止されるか、どちらかになると想定されます。どちらになっても、金融市場にとってサプライズ(驚き)となる可能性があります。

 FRBは通常、市場との対話の中で、金融政策の変更を事前に示唆し、金融市場に織り込ませます。したがって、金融政策が発表された日にはサプライズがなく、金融市場の反応は限定的であるのが普通です。

 ところが、今回はFRBのメッセージの出し方があいまいで、5月2~3日のFOMCで利上げするのかしないのか、金融市場の見方は割れたままです。

 パウエルFRB議長の公式発言からは、0.25%の利上げが実施される可能性が高いと言えます。

 ただし、急激な利上げによって米国の地方銀行の財務が悪化、金融不安が出ていることを考えると、利上げを停止する可能性もあります。金融市場では、2年金利・10年金利がFF金利を大きく下回る推移となっており、利上げが早々に停止されることが織り込まれています。

<米国の長短金利(10年・2年・FF金利)推移:2021年1月4日~2023年4月25日>

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 5月3日にもし利上げがなければ、利上げ継続をほのめかしていたFOMCメンバーの発言と異なるのでサプライズとなります。

 もし、0.25%の利上げが発表されれば、早期利上げ停止を織り込んでいる金融市場にとってサプライズです。どちらが出ても、波乱が生じる可能性があります。

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