米国高配当株5:GSK PLC(GSK)
1715年にロンドンに開設された薬局から始まり、2000年にスミスクライン・ビーチャムとグラクソ・ウエルカムが合併して誕生した企業です。
今では世界中に約10万人の従業員を有する、科学に根ざしたグローバルカンパニーとなりました。医療用医薬品、ワクチンなどの事業を展開し、それぞれの分野において高品質な製品を提供し続けています。
時価総額は778億ドルで、日本円で約10兆3,000億円となっています(1USD=133円換算)。
事業の注目ポイント
事業は「商業生産事業(Commercial Operations)」の単一事業で構成されています。
昨年よりコンシューマーヘルスケア部門をスピンオフし、Haleonとして上場したことに伴い、報告事業を統一して決算では発表しています。
その中で、売上の中心は「特殊医薬品事業(Specialty Medicines)」で続いて、「一般医薬品事業(General Medicines)」、「ワクチン事業(Vaccines)」となります。
「特殊医薬品事業」では、HIV製品(Dovato、Cabenuva、Juluca、Rukobia)や、Zejulaなどのオンコロジー領域、Xevudyなどのパンデミック対応の製品を取り扱っています。
また、「一般医薬品事業」では一般用医薬品を中心に事業を展開しています。
株式の注目ポイント
株価は年初の水準を上回って推移しており、配当は横ばいで推移しています。
直近の四半期決算での業績が好調に推移していることから、株価は年初より上昇して推移しています。
自社製品のさらなる売り上げ拡大が予想されていることから、会社側は、2023年の売上高が6~8%増、EPS(1株当たり利益)は12~15%増の見通しと発表しており、今後の業績拡大と株価上昇が期待されます。
業績動向
2023年2月1日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。
帯状疱疹予防ワクチンShingrixが記録的な売り上げとなり、「特殊医薬品事業」、「ワクチン事業」ともに拡大したことが、好調な業績につながりました。
昨年、会社分割をしたことで、GSKのバランスシートが大幅に改善され、2026年に「特殊医薬品事業」と「ワクチン事業」で売上の75%を達成するという目標を建てて事業プランを進めており、それに伴った業績拡大が期待されています。
次回2023年4月26日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。
注意点
データ保護、情報セキュリティ、サプライチェーン問題などについて、前年度より注意しなければいけないと会社側は公表しています。また、為替によって、ドルでの受け取り配当額が変わる点には注意が必要です。
株価動向、配当利回り紹介
配当:1.38ドル
配当利回り:3.66%
株価:37.77ドル(約5,000円)
この銘柄、権利落ち日は5月中旬の予定(権利実施は7月上旬)です。
配当利回りは4月17日時点で3.66%、株価は37.77ドルでおよそ5,000円から購入できます(1USD=133円計算)。
2020年からの最高値は47.89ドル、最安値は28.66ドルとなっています(終値ベース)。
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