米国高配当株3:ファーストエナジー(FE)

 傘下の10の電気事業者を通して、オハイオ州、ペンシルベニア州、ニュージャージー州、ウェストバージニア州、メリーランド州、ニューヨーク州の顧客に、電力の送電、配電、発電のサービスを提供しています。

 環境面にも力を入れており、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを約束するとともに、直接的な業務管理範囲の温室効果ガスを、2019年のレベルを基準として、2030年までに30%削減することを、会社側は発表しています。

 時価総額は236億ドルで、日本円で約3兆1,000億円となっています(1USD=133円換算)。  

事業の注目ポイント

 事業の中心は「配電事業(Regulated Distribution)」で、続いて「送電事業(Regulated Transmission)」となります。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

「配電事業」では、傘下の電気事業者を通して6万5,000 平方マイル内の約 600 万人の顧客に配電サービスを供給し、「送電事業」では送電インフラを提供、発電源から配電施設へ電気を送電しています。

競合他社

 競合他社として、子会社を通じてエネルギー関連製品およびサービスを提供する持株会社であるコンソリデーテッド・エジソン(ED)、エネルギーサービスの持株会社であるアヴァングリッド(AGR)、電力生産および小売配電事業を行う総合エネルギー持株会社であるエンタージ(ETR)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初近辺の水準で推移しており、配当は横ばいで推移しています。

 昨年の高値からは下回って推移していますが、それでも業績が堅調に推移していることで安定した値動きとなっています。会社側は、今年後半の配当から増配を計画していると発表しており、それも株価の下支え要因の一つとなっています。

 また、会社は魅力的な配当の重要性を認識しているとしており、中長期的な増配が期待されます。

業績動向

 2023年2月13日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を下回り・売上は市場予想を上回りました。

 1株利益は市場予想を下回ったものの、前年同期と比較して大きな変化はなかったこともあり、決算を受けて株価への影響はほとんどありませんでした。

 中心事業の「配電事業」では、家庭用および商業用部門の電力使用量が天候に起因して増えたものの、将来の計画的な保守作業の前倒しや、資材および暴風雨復旧費用の増加などの営業費用の増加により、利益は相殺されました。また、「送電事業」でも設備投資の減少により、利益は上昇しています。

 次回は2023年4月27日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるかどうかに注目です。

注意点

 天候によって電力使用量に影響が出ることや、自然災害の影響が出る事業であるため、それらによって業績に影響が及ぶ点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.56ドル
配当利回り:3.81%
株価:40.84ドル(約5,400円)

 この銘柄、権利落ち日は5月4日です(権利実施は6月1日の予定)。

 配当利回りは417日時点で3.81%、株価は40.84ドルでおよそ5,400円から購入できます(1USD=133円計算)。

 2020年からの最高値は52.27ドル、最安値は26.56ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株4:ユニリーバ(UL)

 世界最大級の消費財メーカーで、毎日世界190カ国、34億人がDove、LUX、Modshairなど400を超えるユニリーバブランドを利用しており、そのブランド数は世界一となっています。

 ユニリーバが有するブランドの81%は市場でNO.1 またはNO.2のシェアで、2021年の世界全体の売上は58%が新興市場となっており、世界中でユニリーバ製品は利用されています。

 時価総額は1,360億ドルで、日本円で約18兆1,000億円となっています(1USD=133円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「健康食品事業(Nutrition)」と「パーソナルケア事業(Personal Care)」で、続いて「ホームケア事業(Home Care)」、「美容&ウェルビーイング事業(Beauty & Wellbeing)」、「アイスクリーム事業(Ice cream)」となります。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

「健康食品事業」では売上高の50%を占めるKnorrとHellmann'sを擁し、世界最大級の食品企業として世界中の食品事業者にサービスを提供しています。「パーソナルケア事業」ではDove、Rexona、Lux、Pepsodentなどの強力なグローバルブランドのポートフォリオを有し、世界中の消費者に個人の衛生、セルフケアサービスを提供しています。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を上回って推移しており、配当は横ばいで推移しています。

 自社株買いによる株主還元を行うとともに、厳しいコストインフレの中でも業績が堅調であることから、株価が回復してきています。

 紅茶事業の売却やヘアウェルネス製品の大手であるNutrafolの買収など、選択と集中をすすめています。会社側も、まだやるべきことはあるが私たちが行った改革により、2023年は勢いよくスタートでき、私たちの最優先事項である高成長を今年も実現するための準備が整った、としており、今後の業績拡大と株価上昇が期待されます。

業績動向

 2023年2月9日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想通りで、売上は市場予想を上回りました。

 材料費の高騰により前年同期と比較し、売上は増えたものの1株利益は減少しましたが、決算を受けて株価への影響はほとんどありませんでした。

 会社側は2023年もコストインフレが継続すると予想しており、上半期の営業利益率は16%程度になると予想しています。しかし、下半期はコストが下落すると予想しており、今後の利益率の改善が期待されます。

 次回2023年4月27日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 自社製品価格を引き上げたことで、一部製品では販売量が落ち込んでいます。そのため、インフレの長期化によって、それらの落ち込みが継続することで業績に悪影響を及ぼす可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.76ドル
配当利回り:3.28%
株価:53.58ドル(約7,100円)

 この銘柄、権利落ち日は5月中旬の予定(権利実施は6月中旬の予定)です。

 配当利回りは417日時点で3.28%、株価は53.58ドルでおよそ7,100円から購入できます(1USD=133円計算)。

 2020年からの最高値は63.44ドル、最安値は43.05ドルとなっています(終値ベース)。