3月の日銀短観DI発表、日本の方が景況が良い
日銀(日本銀行)が3日に発表した3月の日銀短観(企業短期経済観測調査)では、大企業・製造業の景況感を表すDI(業況判断指数)が+1と大きく低下しましたが、まだマイナスにはなっていません。
大企業・非製造業DIは+20と高水準です。製造業が低く、非製造業が高いのは米国と同じですが、ともに、米国よりも景況は高い水準です。
日銀短観、大企業製造業・非製造業DIの推移:2018年3月~2023年3月
3月の日銀短観は、総じて、悪くない内容です。大企業・製造業DIが大きく低下したとはいってもプラスで、マイナス圏に沈んだわけではありません。大企業・非製造業は+20と非常に好調です。製造業と非製造業を合わせた大企業DIは+10と、景況は「良好」といえます。
大企業DIを業種別に見たのが以下です。好調・不振の業種がよく分かります。
大企業・製造業の業種別DI
製造業DIが大きく低下しましたが、下方へ引っ張ったのは石油・石炭製品(▲46)など素材産業です。業務用機械・生産用機械など、加工産業は好調です。
大企業・非製造業の業種別DI
非製造業は極めて好調です。情報サービス・物品賃貸・対事業所サービスなどが高水準です。非製造業でマイナスに沈んでいるのは、電気・ガス(▲15)だけです。
日本株の投資判断
日本株の投資判断は変わりません。日本株は割安で長期的に良い買い場を迎えていると考えています。
ただし、米景気減速への不安、米利上げが続く不安は残っていることから、短期的なショック安はまだあるかもしれません。時間分散しながら割安な日本株を少しずつ買い増ししていくことが長期的な資産形成に寄与すると考えています。
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