3月の米雇用は強いが、製造業・非製造業とも景況が悪化

 先週発表になった、3月の米ISM(米サプライマネジメント協会)景況指数で、米景気の冷え込みが懸念されました。製造業は 50割れで低下が続きました。好調だった非製造業も、インフレ・金利上昇の影響から景況分かれ目の50近くまで低下しました。

ISM景況指数:2018年1月~2023年3月

出所:米ISM供給公社をもとに楽天証券経済研究所作成

 一方、3月の米雇用統計は、相変わらず強い内容でした。労働者不足は構造的で、米景気が減速しても雇用は強いままとの見方も出ています。雇用が強いことから、米景気の減速が鮮明になってもなお、5月も利上げが続く不安は残ったままです。

非農業部門の雇用者増加数(前月比):2019年1月~2023年3月

出所:米労働省をもとに楽天証券経済研究所作成

 3月の非農業部門の雇用者は前月比23.6万人増でした。伸びは少しずつ鈍化していますが、それでも好調といわれる20万人以上の増加が続いています。

完全失業率:2014年1月~2023年3月

出所:米労働省をもとに楽天証券経済研究所作成

 失業率は2月より0.1ポイント低下して、3.5%となりました。実質完全雇用で、コロナ前の3.5%とほぼ同水準で、強い内容でした。

 平均時給は前年同月比4.2%増でした。2月の同4.6%増より低下してきていますが、まだ高い水準です。