一日でも早く、バイトをして、実家を出て、欲しいものを買おう

 では、君たちはいま、何をするべきでしょう?

 自立するためには、早速最初のアルバイトをしてみて、人のために何か役立つ価値を生み出して、価値の対価としてお金を受け取って、そのお金を自分の欲しいものに使ってみることを体験してください。

 大人になったら、一日も早く実家を出て、独り立ちしてください。そして、自分で稼いだお金で手に入れた部屋の家賃を払う喜びを味わってほしい。どんなに小さくても「my house」なんです。

 豪華な部屋である必要はない。私は長い間、四畳半に住んでいましたよ。私が他の人と違いがあるとすると、11歳の時から土木作業の仕事をしていたということです。当時の時給は1ドル18セント。今なら100円くらい。私は100円の価値を知っていることが誇りであり強みだと思っています。

 ところが、みんな働くうちに人生の本当の目的を忘れてしまって、たくさんお金を稼いで、楽になることを目指してしまう。

 違いますよ。人生の本当の目的は、「より大きな意義のある存在になる」ことです。それは楽な道ではありません。苦しい道かもしれません。でも、苦しい時こそ喜ぶべき。なぜなら、楽をしているときは成長していないときだから。

 アフリカのサバンナにいるライオンは、おなかが減ると、何度も狩りに失敗しつつ、ついにシマウマを倒します。それを見て、ハイエナを始めいろいろな動物がおこぼれに預かろうとやってきます。

 ライオンは他の動物を追い払い、「これは私のシマウマだ」と宣言するのです。この喜びを知らずに、人生を送ってはいけません。

 みなさんも、「もらおう、誰かが助けてくれる」「おこぼれに預かろう」などと考えず、自分で稼いだお金だと胸を張れる、「自立した存在」になってください。

<教えてくれたのは>

ジェームズ・スキナー
作家、経営コンサルタント、ヘッジファンド経営者

19歳のときに来日。早稲田大学で国際ビジネス論を学び、アメリカ合衆国大使館、NEC、社会経済生産性本部、財務広報ライター、アメリカ最大級の研修会社フランクリン・コヴィー社の日本支社長を歴任。ベストセラー『7つの習慣』(キングベアー出版)を日本に紹介したことやNHKやCNBCなどにおける評論家活動、自己啓発の名著『成功の9ステップ』(幻冬舎)や『図解成功の9ステップ』(中経出版)もよく知られ、『史上最強のCEO』(フローラル出版)は初版100万部で話題となった。