米国高配当株3:コンソリデーテッド・エジソン(ED)

  米国最大のエネルギー事業会社の一つで、傘下の子会社を通じて幅広いエネルギー関連商品およびサービスを顧客に提供しています。

 傘下のConsolidated Edison Company of New York, Inc.(CECONY)ではニューヨークにおいて電気・ガスなどの事業を、Orange and Rockland Utilities, Inc.(O&R)はニューヨーク州南東部とニュージャージー州北部において電気・ガスなどの事業を展開しています。
時価総額は321億ドルで、日本円で約4兆3,000億円となっています(1USD=136円換算)。 

事業の注目ポイント

 売上の中心は「CECONY社」で、続いて「O&R社」、「クリーンエネルギー事業(Clean Energy Businesses)」などとなります。   

「CECONY」ではニューヨーク市全域(クイーンズ区の一部を除く)とウエストチェスター郡の大部分約660平方マイル、人口900万人以上のサービスエリアで、約360万人の顧客に電気サービスを提供し、マンハッタン、ブロンクス、クイーンズの一部、ウエストチェスター郡の大部分で、約110万人のお客さまにガスサービスをお届けしています。

競合他社

 競合他社として、子会社を通じて、発電・配電の他、再生可能エネルギーを含むエネルギーサービスと技術を提供するエジソン・インターナショナル(EIX)、エネルギー供給事業を行う公益事業持株会社であるエバーソース・エナジー(ES)、四つのユーティリティ子会社を通じてエネルギー関連の製品とサービスのポートフォリオを提供するエクセル・エナジー(XEL)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を少し下回って推移しており、配当は49年連続で増配をしています。

 もともと値動きはあまり大きい銘柄ではなく、自社株買いが予定されていることもあってここ一年間の株価は100ドルから80ドル程度の間を推移しています。直近ではCon Edison Clean Energy Business, Incをドイツの大手再生可能エネルギー企業であるRWE Renewables Americas, LLCへ売却することが決まるなど選択と集中を進めています。

 株価の変動も比較的少なく配当も連続で増配していることから中長期でNISA口座で保有するのによい銘柄ではないでしょうか。 

業績動向

 2023年2月16日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。

 四半期ごとの業績に多少の変動があるものの、大都市であるニューヨークを中心に事業展開していることもあり、大きく業績が変動することはそれほどありません。2023年から2025年に債券の発行、2025年には増資を計画し、その集めた資金でさらなる投資を計画しており、今後も堅調な業績が期待されます。

 次回は2023年5月4日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。

注意点

 サプライチェーンの混乱とインフレに関連するリスクに直面していますと会社側も発表していますが、現在の状況が長続きするようですと業績へ悪影響を及ぼす可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:3.24ドル
配当利回り:3.54%
株価:91.29ドル(約1万2,400円)

 この銘柄、権利落ち日は5月中旬の予定です(権利実施は6月中旬の予定)。

 配当利回りは310日時点で3.54%、株価は91.29ドルでおよそ1万2,400円から購入できます(1USD=136円計算)。

 2020年からの最高値は101.92ドル、最安値は65.35ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株4:コカ・コーラ(KO)

 約200のマスターブランドを擁し、200以上の国で事業を展開する世界最大級の総合飲料メーカーです。

 コカ・コーラ、スプライト、ファンタ、コカ・コーラ ゼロシュガー、コカ・コーラ ライトと世界トップ6ブランドの炭酸飲料のうち五つを有し、そのほかにもアクエリアスやいろはす、ジョージアなど私たちの生活に身近な多くのブランドを取り扱っています。

 時価総額は2,596億ドルで、日本円で約35兆円となっています(1USD=136円換算)。 

事業の注目ポイント

 事業の中心は「北米事業(North America)」で、続いて「ボトラーズ投資事業(Bottling Investments)」、「欧州・中央・アフリカ事業(Europe, Middle East&Africa)」、「南米事業(Latin America)」、「アジア太平洋事業(Asia Pacific)」、「グローバルベンチャー事業(Global Ventures)」となります。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成 ※データに軽微な誤差がありグラフ上の合計が約100%となっていません。

「北米事業」では、売上の半分近くをコカ・コーラブランドが占めておりコカ・コーラの旗艦市場となっており、「ボトラーズ投資事業」では自社製品の製造などを行い、「欧州・中央・アフリカ事業」では、欧州、中東、アフリカ地域において自社ブランドの販売を行っています。

競合他社

 競合他社として、すぐに飲める、すぐにブレンドできる冷凍飲料の製造と流通を行うバーフレッシュ・フード・グループ(BRFH)、パッケージ化されたココナッツウォーターを提供する植物ベースの機能的な水分補給プラットフォームであるビタ・ココ・カンパニー(COCO)、カロリーゼロ、砂糖ゼロの自然な甘さの飲料を提供する飲料会社であるゼビア(ZVIA)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を少し下回って推移しており、配当は61年連続で増配しています。さらに、自社株買いを行い、配当も毎年増配し積極的に株主還元を行っています。

 株価は10年間で1.5倍程度となっており、配当も毎年3%程度出し続けていることから配当込みのリターンは2倍弱となっています。ハイテク株のような値動きの軽さはありませんが、全世界に浸透しているコカ・コーラブランドは簡単なことでは業績が大きく崩れるような事態にはなりづらくNISAで長期的に保有する対象の一つとしてよいのではないでしょうか。

業績動向

 2023年2月14日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想通りとなり、売上は市場予想を上回りました。

 BODYARMOR買収による費用などが影響し1株利益は市場予想通りとなりましたが、価格改定などにより売上は市場予想を上回り、結果、株価への影響はほとんどありませんでした。

 Ready To Drinkと呼ばれる缶やペットボトル入り飲料のコカ・コーラのシェアは拡大しており、今後も世界全体で人口が増えていくことが予想されていることから、200カ国以上で事業展開するコカ・コーラがそのマーケットを取り込むことで、引き続き堅調な業績で推移することが期待されます。

 次回2023年4月25日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 インフレの高止まり、ドル高などは業績の悪化要因の一つです。今後もこのような状況が続くと業績拡大の足を引っ張る可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.84ドル
配当利回り:3.09%
株価:59.46ドル(約8,100円)

 この銘柄、権利落ち日は3月16日の予定(権利実施は4月3日の予定)です。

 配当利回りは310日時点で3.09%、株価は59.46ドルでおよそ8,100円から購入できます(1USD=136円計算)。

 2020年からの最高値は66.21ドル、最安値は37.56ドルとなっています(終値ベース)。