2023年の株式市場は各国の中央銀行の利上げの余波で、相場全体の下押し圧力が収まらない可能性もある展開です。ですがいかなる状況でも利益を出し続けることが必要なプロ投資家は、逆境相場に立ち向かうさまざまな戦略を立てています。本稿では個人投資家の方でも実践しうるそんな戦略の一つ、ペアトレード戦略をご紹介します!

※個人投資家がペアトレード戦略を実践するためには信用取引口座が必要です。また本稿はあくまで取引手法の紹介を目的としたものであり、例示されている取引を行うことを推奨するものではありません。後述する「ペアトレードを実践する上での注意点」もご確認ください。

下落相場でも戦えるペアトレード戦略とは?

 ペアトレード戦略をひとことで言うと、上がるものを買って、下がるものを売る取引を同時に行う手法です。この場合、ある程度似たような値動きをする銘柄ペアを用いる方がリスクを抑えることができます。

 具体的には、株価指数よりも上がりそうな個別銘柄を買って株価指数連動のETF(上場投資信託)を売る、株価指数よりも下がりそうな銘柄を売って株価指数連動のETFを買う、一般に相関が高い同業界の競争企業から2銘柄を選ぶといった方法があります。ここでは同業種から2銘柄選ぶ方法で説明します。まず以下の図でイメージをつかんでみてください。

注:筆者作成。為替レートや金利、手数料は考慮していません。