10-12月決算出そろう、業績下方修正が優勢に

 日本株は、ほとんど米国株要因で動いていますが、日本独自の要因も影響します。日本独自のプラス要因として、リオープン(経済再開)による内需回復があります。また、決算が出た時の業績モメンタムも大きな影響があります。

 今はちょうど10-12月の決算発表が出そろったところですが、決算発表時に通期(2023年3月期)の業績予想を下方修正する企業が、上方修正する企業を上回りました。

 7-9月決算では、上方修正が下方修正を上回っていましたが、10-12月は下方修正優位となりました。

 楽天証券では、10-12月の決算発表を受けて、今期(2023年3月期)の東証(東京証券取引所)主要841社の増益率の見通しを、8.5%から3.1%に下方修正しました。

東証プライム上場3月期決算主要841社の連結純利益(前期比):2020年3月期~2024年3月期(予想)

出所:楽天証券経済研究所が作成

 今期の業績見通しは下方修正しましたが、来期(2024年3月期)にかけて増益が続くとの見方は変更しません。今期利益の下方修正要因に一時的なものが多いこと、来期の後半にかけて世界景気が持ち直すと見ているからです。

 来期の増益率見通しは、3.2%から6.9%に上方修正となりました。今期の利益見通しが下がったこと、来期の利益見通しの下方修正幅が小さいことから、来期の増益率見通しは高くなりました。