時代とともに変わるバフェットの運用手法、若い頃はバリュー(割安)重視

「バフェットの運用手法」と一口に言っても、若年期と壮年期で異なります。無名だった若年期にはハゲタカ・ファンド張りのディープ・バリュー(激安)株投資で荒稼ぎしていたこともあります。運用手法の根底に、バリュー重視があります。ただし、年とともに、グロースを重視しました。

 ただ、根底には、常にバリューを考えながら投資銘柄を選ぶ慎重さがあります。運用で「勝つ」ことを考えつつ、常に「大負け」しないようにリスクをコントロールしてきたからです。それが、グロースを重視しつつ、バリューも見る運用手法につながっていったと思います。

 日本の個人投資家にとって、参考になる知恵がバフェット氏の言葉にたくさん詰まっていると思います。

 バリュー(割安株)運用で高い運用利回りを上げて有名になったバフェット氏の、若い頃の言葉を紹介する著作を、私は原書で読んだことがあります。「Warren Buffett’s Ground Rules(ウォーレン・バフェットのグラウンド・ルール)」(Jeremy C. Miller著)です。

 バフェット氏が若い頃、投資家向けに書いた手紙が紹介されています。私が、25年のファンドマネージャー時代にやってきたバリュー運用に通じる極意が、若きバフェットによって熱く語られており、感動しました。

 私が強く共感した言葉を、二つ紹介します(日本語訳は窪田)。

(1)「企業の本源的価値がわかっていれば、それを生かして有利にトレードできる。株価が、本源的価値と比較して、ばかばかしい程、安い水準まで売られた時に買うことで、利益が得られる。」
(2)「最近、新時代の投資哲学を語る人が増えた。その哲学によると、木々が空まで伸びるように上昇し続ける株が出るという。そんな哲学に乗って割高株を高値づかみする位なら、過度に保守的といわれてペナルティを課せられた方がましだ。」

 私は、今の日本株に、本源的価値を割り込んでいる株はたくさんあると思います。地味で不人気だが、財務内容が良く、キャッシュフローが潤沢で、安定高収益の会社を探せばいいわけです。価値が高いのに、不人気で株が割安になっているものは、結構あります。

 そこで今日は、「もしバフェ銘柄」、つまり、「もしバフェットが日本株ファンドマネージャーだったら買うと考える銘柄」を探してみました。