東証グロース株(旧東証マザーズ株)の投資戦略

 ここで、小型グロース株の投資戦略について、お話しします。東証グロース市場上場株のことです。ただし、東証グロース市場ができてまだ1年弱しかたっていないので、東証グロース株と言ってもなんのことかわからない人が多いと思います。

 そこで今日は、個人投資家になじみのある、東証グロース市場の前身、東証マザーズ株の投資戦略としてお話しします。東証マザーズ市場は昨年4月の東証再編で無くなりましたが、東証は旧東証マザーズ銘柄を対象に、東証マザーズ指数の計測を続けています。

 今日は、その旧東証マザーズ株に新NISAで投資する場合の戦略について、お話しします。

東証マザーズは小型成長株の宝庫だが高リスク

 東証マザーズは小型成長株の宝庫です。過去にマザーズからスタートして大きく成長した銘柄もあります。既に東証プライムに鞍替えとなっていますが、エムスリー(2413)MonotaRo(3064)サイバーエージェント(4751)ZOZO(3092)ディー・エヌ・エー(2432)などです。

 一方、期待外れに終わって暴落して上場廃止になった銘柄もたくさんあります。インターネット総合研究所、旧ライブドアなどです。それだけに、高リスク高リターンの市場と言えます。銘柄選択の巧拙で、大きなリターンも大きな損失もどちらもあり得るということです。

 ただし、マザーズ株に投資するとき、銘柄選択以外にも注意しなければならないことがあります。私がファンドマネージャー時代にマザーズ株に投資するときに肝に銘じていたことです。「波に乗る」ことです。

マザーズは波に乗ることが大切

 私がファンドマネージャー時代に、マザーズ株のトレーディングで気を付けていたことは「波に乗る」ことです。銘柄選択はもちろん大切ですが、それ以上に大切なのが波に乗ることです。

 というのは、マザーズ株は上がるときも下がるときも値動きが極めて大きく、一方通行になることが多いからです。

 以下のチャートでわかる通り、上がるときはいい銘柄も悪い銘柄も上がり、下がるときはいい銘柄も悪い銘柄も下がる傾向があります。一生懸命、企業調査して良い銘柄を選んだつもりでも、下げ相場では、なすすべもなく下がります。

 2021年以降、いい銘柄も悪い銘柄もなんでも下げる相場が続いた後、2022年後半から底打ちしつつあります。そろそろ少しずつ投資していって良いタイミングになりつつあると思います。

東証マザーズ指数の月次推移:2016年1月末~2022年11月14日

出所:QUICKより作成