(2)現状のリスクでのリターンの改善案
現状で相談者が抱えているリスクと同等のリスクで、どれだけ手取りの期待リターンの改善ができるかを具体的に相談者に示してみよう。相談者は、「現状から損を幾ら改善できる状態にあるのか」に気づくだろう。
現状のリスク水準でのリターンの改善策には以下のようなものがある。
- アクティブファンドや多分配型(毎月分配や奇数月分配)の投資信託の高い手数料を手数料が低廉なインデックスファンドに入れ替えて改善する。
- 外貨預金、外国債券、外貨建て生命保険など、リスクがあるのに国内債券よりも期待リターンが高いとは言えない資産について、そのリスクをインデックスファンドに振り替える。
- 分散投資されていない個別株式(期待リターンは基本的に市場平均と同じ)のリスクを同等の大きさのリスクでインデックスファンドに振り替える。たとえば、社員持ち株会で自社株に大きな金額を投資している人に有効。
- 確定拠出年金(企業型、iDeCo[イデコ:個人型確定拠出年金]共に)、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)、つみたてNISA、などの未利用や、利用しているにもかかわらずバランスファンドなど運用益に関する税制優遇を十分活用できていないケースの改善。