世界No.1の産油国・産ガス国はどこ?

 ここからは、主要な産油国・産ガス国を確認します。BPの統計によれば、原油、天然ガスともに、生産量No.1は米国です(2021年時点)。米国では、探索・採掘技術の向上、国内需要増加、政策的な支援などを背景に起きた「シェール革命」により、この10年で原油と天然ガスの生産量は1.5倍以上になりました。

 2019年から2021年の3年間でみると、米国、ロシア、サウジアラビアの原油生産量は、いずれもやや減少しました。新型コロナウイルスの感染拡大により一時的に需要が減少したことが3カ国共通の要因ですが、ロシアとサウジについては、生産量に上限を設定する「減産」を強化したことも大きな要因です。

図:原油と天然ガスの生産国上位5カ国(年間ベース 2021年まで)

出所:BPのデータをもとに筆者作成

 米国は「OPECプラス」にも「GECF」にも参加していません。米国がこれらのグループに参加していない理由に、(1)米国が原油の主要な輸入国・消費国であること、(2)米国が国営の石油・天然ガス会社を有していないこと、などが挙げられます。

「OPECプラス」も「GECF」も、「E(Exporting 輸出)」の文字のとおり、輸出がメインであることが求められます(輸出国ならではの課題を共有できる必要がある)。また、国単位での参加が求められるため、大小さまざまな個別の石油会社が活動している米国にはなじみにくいという事情があります。