どうなる日本株?

 結論は、いつも述べていることと同じです。日本株は割安で長期的には良い買い場と考えますが、短期的なショック安はまだ終わっていません。米国株とともに急落して二番底をつける可能性もあります。

 米国株が下げ止まるまで、日経平均の下値模索は続くと思います。ただし、米国株と比較すると相対的に下落率が低い状況が続くと思います。

 日経平均は昨年10月以降、米国株が急落する中、相対的に低い下落率で済んでいます。円安・リオープン(経済再開)による企業業績押し上げ期待が、日本株が相対的に堅調な理由です。米国株の主要株価指数が安値をつける中で、日経平均はまだ年初来安値(3月9日の2万4,717円)より高い水準にあります。

 2023年は、米国がリセッション(景気後退)ぎりぎりまで減速する可能性があります。日本の景気も軟化するものの、リオープン(経済再開)・インバウンド(外国人観光客の消費)復活で相対的に堅調となる可能性があります。

 IMF(国際通貨基金)の予測では、2023年、珍しく日本の成長率が米国や欧州を上回ることが想定されています。

IMF世界経済予想:2022年7月時点

出所:IMF

 かつては、米国経済がリセッションあるいはリセッションぎりぎりまで悪化すると、同時に世界中の景気が悪化していました。ところが、近年少し異なる動きもあります。米国向け輸出に景気を完全に依存していたアジア(中国・インド・ASEAN)が、米国向け輸出だけでなく内需による独自の成長をするようになってきたことです。

 IMFの予測では、欧米がリセッションぎりぎりまで悪化する中で、アジアの高成長が続く想定となっています。中国については、成長率が低下するとはいっても、2023年に4%台の成長が可能ならば、世界第2位の経済大国としては異例の高成長といえます。ゼロコロナ政策がリスクとなりますが、2023年にはその影響が低下することを前提とした予想と考えられます。

 ただし、世界的な金融危機が起こり、米景気が深刻なリセッション入りする場合は、話が変わります。円安・リオープンの恩恵を受ける日本の景気も腰折れするリスクがあります。しばらく、米景気・企業業績の動向を慎重にウオッチする必要があります。