金融危機を伴う世界景気後退がなければ日経平均の安値更新はないと予想

 メイン・シナリオでは、世界景気はリセッションすれすれに減速するものの、リセッション入りはないと予想しています。11・12月に米利上げが見込まれますが、利上げ幅は縮小し、年末のFF金利は3.875%止まりと私は予想しています。

 なぜならば、原油先物・海運市況の急落に示されている通り、世界的なインフレはこれから沈静化に向かうと予想しているからです。

 米景気が減速しても、リセッション入りがなければ、日本の景気回復は続くと予想しています。円安・リオープンが内需回復や企業業績の回復に寄与すると思います。

 その場合、日経平均はここから一段安になっても、年初来安値(3月9日の2万4,717円)を下回ることはないと予想しています。米景気のソフトランディングが見通せるようになれば、日経平均は反転上昇していくと予想しています。

 時間分散しながら、割安な日本株を買い増ししていくことが、長期的な資産形成に寄与すると判断しています。

 リスク・シナリオとして、米金利上昇・ドル高が新興国などで金融危機を引き起こす可能性を想定しておく必要があります。世界的な金融危機を伴う、世界的なリセッションが起こると、日本の景気も腰折れとなります。その場合は、日経平均は安値を更新して、一段安となる可能性もあります。

▼著者おすすめのバックナンバー

2022年9月21日:リーマンショック前夜?二つの共通点と三つの相違点