年末のFF金利予測は4.4%、11.12月にさらに大幅利上げ見込まれる

 FRB(米連邦準備制度理事会)は21日、0.75%の大幅利上げを発表しました。FF(フェデラルファンド)金利の誘導目標を2.25~2.50%(中心2.375%)から3.00~3.25%(中心3.125%)へ引き上げました。0.75%の大幅利上げを、6月15日・7月27日に続き、3会合連続で実施しました。かつてない急激な利上げ、金融引き締めが進んでいます。

 0.75%の利上げ自体は事前にFRBが示唆していた通りでサプライズ(驚き)はありません。利上げ決定後の記者会見で、パウエルFRB議長が金融引き締めを続ける強い決意を語ったこと、さらに、FOMCメンバーによる2022年末のFF金利予測(中央値)が4.4%と高かったことが、ネガティブでした。予測値通りなら、11月にさらに0.75%、12月に0.5%の利上げが実施されることになります。そうなると長期(10年)金利との逆ザヤが拡大し、米景気を後退させるリスクが高まります。

米FF金利、長期金利、NYダウ月次推移:2004年1月~2022年9月(23日)

出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成

 米長期(10年)金利は3.687%まで上昇していますが、もしFOMCメンバー予測で示唆されたように、年末4.4%までFF金利が上がると、10年金利との逆ザヤが大きくなります。それまでに米インフレ率の低下が進み、米景気の減速も顕著になると、長期金利は3%前後にさがると予想しています。

米10年・2年金利とFF金利の動き:2021年1月4日~2022年9月23日

出所:QUICK・ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成

 そうなっても、FRBがおかまいなしに大幅利上げを続けると、長短金利の逆イールドが1%以上に拡大することになります。高金利によって、米景気がオーバーキル(やり過ぎて台無しにすること)される可能性が高まります。

 目先の株式市場はそのリスクを懸念して、下落が続く可能性があります。