米国株急落、「絶好の買い時」到来?

 9月13日の夜、米国株が大きく下落しました。きっかけは8月のCPI(消費者物価指数)が高止まりし、市場参加者が想定している以上のペースで利上げが進むのではないか、という懸念が高まったためです。

 この米国株の下落を受け、夜間の日経平均先物の価格も急落、翌14日の日経平均株価は朝から大幅安となりました。

 この突然の急落で肝を冷やした方もいる一方で、急落を「絶好の買い時」ととらえて買い向かった個人投資家の方も少なくないのではないでしょうか。

 ただ、株価急落をやみくもに買い向かうだけではリスクも高いのが現実です。そこで今回は、米国株の急落などにより日本株の株価が朝から大幅安で始まるときに知っておきたい、買い向かいのポイントや注意点をお伝えしようと思います。

ポイント(1)強い株の押し目を狙う

 朝から大幅安で寄り付きそうなとき、どの銘柄に狙いを絞るかは重要な点となります。やみくもにあれもこれもと買っていくのは失敗の原因となります。

 いろいろな個別銘柄の株価チャートを見ていただくと分かるのですが、足元の日本株は、個別銘柄により値動きがバラバラで、日経平均株価が急落しても上昇トレンドを維持している強い銘柄がある一方、日経平均株価よりはるかに弱い動きで下降トレンドが継続している弱い銘柄もあります。

 筆者はもともと25日移動平均線を下回り、下降トレンドとなっている弱い銘柄は投資対象とはしていませんので、朝から大幅安で始まりそうなときも、そうした銘柄には投資しません。

 筆者が狙うのは、上昇トレンドに転じた時点で買いそびれ、その後株価が大きく上昇したため結局買うことができなかった銘柄です。

 例えば現時点で25日移動平均線からの乖離(かいり)率がプラス10%の銘柄は、筆者としては高値掴みのリスクが高いので手を出すことはできません。でも、株価下落で乖離率がプラス2%まで下がったならば、これは買ってよい価格帯と判断します。

 もし株価下落が短期間で収まるような場合、強い銘柄はいち早く反転上昇に転じるケースが多々ありますので、こうした銘柄の一時的な株価下落、押し目を狙うようにしています。

ポイント(2)押しが深そうなときはいったん買いを見送る

 二つ目のポイントは、一つ目のポイントとも関連するのですが、押し目が深そうなときはいったん買いを見送ることも必要になります。

 上の例で、25日移動平均線からのプラス乖離が10%の銘柄が、プラス2%の乖離率になるまで株価が下落したならば、買い時となることをお伝えしました。

 しかし、寄り付き前の気配値が25日移動平均線を割り込んでいるような場合は、想定以上に押しが深いとして、再び25日移動平均線を超えてくるまでは様子見をした方がよいと思います。

 押し目が想定より深くなると、場合によっては押し目ではなく本格的な下落にまで発展する可能性もあります。そもそも上昇トレンドの強い銘柄の押し目を買おうとしているわけですから、25日移動平均線を割り込んでしまうとなれば、強い銘柄とは言えなくなってしまいます。

 筆者であれば、買おうとしている銘柄の寄り付き前の気配値をみて、明らかに25日移動平均線を下回る気配の場合は買いを見送ります。もしくは、逆指値の指値注文を活用し、25日移動平均線の少し上に逆指値を置き、かつ指値注文を入れ高く買いすぎないようにします。

 例えば前日株価1,100円、25日移動平均線1,000円という場合、1,010円以上になったら1,020円で買うという逆指値の指値注文を入れます。こうすると、寄り付きから25日移動平均線を割り込むような場合は注文が発注されませんし、寄り付きからあまり下がらず、1,080円くらいで寄り付いたときも注文が発注されません。

 そして、1,015円くらいで寄り付いた場合はその価格近辺で買うことができます。自分が買いたい価格帯に株価があるときだけ買うことができるように、逆指値注文を活用するのが一つの方法です。

ポイント(3)損切り価格は必ず設定しておく

 三つ目のポイントは、損切り価格を必ず設定し、厳守することです。

 株価急落が1日で終わればよいですが、一時的な下げではなく、本格的な長期下落に転じたり、〇〇ショックのように恐怖感を伴うような大きな下落に発展する可能性もあります。

 そこで、買った株について、いくらまで株価が下がったら損切りをするかをあらかじめ決めておき、それを順守する必要があります。

 これを怠ると、株価下落により含み損が膨らみ、塩漬け株になってしまうのをただ眺めているだけ、という状況になりかねません。

 特に、強かった株が弱い動きに転じると、これまで株価がかなり上昇していた分、下落も大きいものになってしまう可能性が高く、思わぬ損失を被ってしまいかねません。

 筆者は、株価下落局面で最も冒してはならない失敗が、適時の損切りを怠ったことによる塩漬け株の発生であると常日頃からお伝えしています。いつ長期下落相場に突入するか分かりませんから、しっかりと損切りルールを設定し、実行する習慣を今のうちからつけるようにしましょう。

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