追証の発生を避けるには?
当然ながら、追証の発生は可能な限り避けたいところです。ここでは、追証を避けるための工夫や対策を確認していきます。
(1)委託保証金を多めにする
当たり前ですが、最も簡単で基本となる対策です。保証金に余裕があるほど委託保証金率は上がりますし、冷静な投資判断を行う精神的な余裕もできます。
(2)委託保証金をなるべく現金にする
保有している株券を代用有価証券として委託保証金に使えることは信用取引のメリットではありますが、保有している建玉銘柄の株価だけでなく、委託保証金に使っている株券の評価額にも配慮しなくてはなりません。
つまり、株券を代用有価証券として委託保証金に使ってしまうと、その銘柄の株価が下がったときに委託保証金の価値も下がってしまい、委託保証金率悪化の原因になってしまいます。
委託保証金が全て現金ならば、委託保証金率の低下を左右するのは建玉の評価損だけになります(もちろん、金利などのコストや手数料などを考慮する必要はありますが)ので、シンプルな投資判断で取引ができます。
(3)代用有価証券で工夫する
とはいっても、代用有価証券を委託保証金にして取引するメリットは捨て難いものがあります。そこで、買い建ての場合は建玉の銘柄と反対の値動きをしやすい株券を代用有価証券にし、売建ての場合は、建玉の銘柄と株価が連動しやすい株券を代用有価証券にするなどの工夫をします。
ただし、銘柄同士が「同じような動きをするか否か」を見極めるのは難しいですし、違う動きになることもあるため、この方法は難易度がやや高いと言えます。
いずれの方法も共通しているのは、委託保証金に「余裕を持つ」ことと、「安定させる」ことの二つがカギになります。
次回は、その他の追証について気をつけるべき点や、不足金などについて整理していきたいと思います。