減配リスクの低い銘柄の選び方
減配リスクの低い銘柄を絞りこむ方法は、いろいろあります。減配リスクが低い銘柄には、一般的に以下のような特色があります。
◆時価総額が大きい
◆参入障壁の高いビジネスモデル
◆財務内容が良好
◆景気の影響を受けにくい業種
◆経営者が株主への利益配分に積極的
◆配当性向が高過ぎない(連結配当性向80%超は要注意)
全てを満たす銘柄はなかなかありません。私は、上記の一つか二つ満たすものから選べばよいと考えています。
今日のレポートでは、何かキラリと光るものがある企業として「エネルギー安全保障にとって重要な企業」を選びます。その中から、「時価総額が大きく」て「参入障壁が高いビジネスをやっている」企業を選別し、さらに予想配当利回りの高い株に絞り込みます。
私が選ぶ3銘柄、最も価値が高いと判断しているのはINPEX
上記の基準を配慮して、私がファンドマネージャーだったら今買いたいと思う高配当利回り株が、以下3銘柄です。
どれも財務内容が良好、収益基盤が安定的にもかかわらず株価が割安な「高配当利回り株」として長期投資する価値があると判断する銘柄です。
エネルギー安全保障に貢献すると考える、高配当利回り株3選:2022年8月30日時点
コード | 銘柄名 | 株価:円 | 配当利回り | PER:倍 | PBR:倍 |
---|---|---|---|---|---|
1605 | INPEX | 1,663.0 | 3.6% | 6.6 | 0.73 |
5020 | ENEOSホールディングス | 540.3 | 4.1% | 10.0 | 0.55 |
8058 | 三菱商事 | 4,635.0 | 3.2% | 7.9 | 0.89 |
出所:各社決算資料より楽天証券経済研究所が作成。配当利回りは1株当たり年間配当金(今期会社予想)を8月30日株価で割って算出。1株配当金は、INPEXが60円、ENEOSHDが22円、三菱商事が150円。PERは、株価を1株当たり利益(今期会社予想)で割って算出。今期とは、INPEXは2022年12月期、他は2023年3月期 |
中でも、一番投資価値が高いと判断するのが、INPEXです。今日のレポートでは、INPEXについて詳しく解説します。
INPEXは、昨年12月1日のレポートで投資判断を「強い買い」に引き上げた銘柄です。その時のレポートは、以下からお読みいただくことができます。
2021年12月1日:利回り3.7~6.2%、12月決算の高配当株5選。INPEXを「買い推奨」に引上げ
株価は、昨年12月1日の938円から既に77%上昇して1,663円となっていますが、それでもPER(株価収益率)6.6倍、PBR(株価純資産倍率)0.73倍と、株価指標でみて極めて割安です。日本のエネルギー安全保障にとって極めて重要な企業であることが、株価に十分に織り込まれていないと考えられます。
以下、長期の株価チャートをご覧ください。同社株価は2020年まで、原油・天然ガス価格下落を受けて低迷していました。2021年から大きく上昇しているとはいえ、2007~2008年の株価と比較すると、まだ低い水準にあります。