IMF予測から読み取れること:アジアが独自の成長を始める

 IMFが発表した予測のインプリケーション(示唆)として、欧米に代わり、アジアが独自の成長を始める可能性があります。2022、2023年は、欧米に代わってアジアが世界経済をけん引する予想です。

 1990年代、世界経済の中で米国が一人勝ちでした。当時、米国経済の予測だけすれば、世界全体の予測ができました。米国が好調ならば、その恩恵で世界全体が好調で、米国が不振ならば世界全体が不振になるのが明らかでした。

 21世紀に入り、米国とは独立の成長をする国がでてきました。中国やインドです。これからは、ますますその傾向が強まっていくと考えています。つまり、インドやASEAN(東南アジア諸国連合)などアジアが独自の成長を遂げる時代になると予想しています。

 ところで、日本についてはどうでしょう。IMFの予測では、日本は2022、2023年とも1.7%成長する予想となっています。もし1.7%成長するならば、低成長国の日本としては申し分ない成長です。この通りになると仮定すると2023年、米国は不況色が強まりますが、日本は内需回復などによってゆるやかな景気回復が続くことになります。

日本株は時間分散して買い増しの方針

 日本株についての投資判断は変わりません。日本株は割安で、長期的には買い場と判断しています。短期的な下値リスクは払しょくできませんが、時間分散しながら、割安な日本株を買い増していくことが、長期の資産形成に寄与すると判断しています。