米国高配当株5:サザン(SO)

 米国第2位のエネルギー供給企業です。

 アラバマパワー、ジョージアパワー、ミシシッピパワーの三社の電力会社を傘下に抱え、他にもサザンカンパニーガス、アトランタガスライトなどの5社の天然ガス会社を傘下に持っています。

 時価総額は763億ドルで、日本円で約10兆3,700億円となっています(1USD=136円換算)。

事業の注目ポイント

 事業収益の中心は「従来の電力事業会社(Traditional Electric Operating Companies)」で、続いて「サザンカンパニーガス(Southern Company Gas)」、「サザンパワー(Southern Power)」となります。

「従来の電力事業会社」では傘下の電力会社による電力供給、「サザンカンパニーガス」では天然ガス供給事業、「サザンパワー」では再生可能エネルギーや蓄電池プロジェクトを含む発電資産の開発、建設、買収、所有、管理を行っています。

競合他社

 競合他社として、完全所有の子会社を通じて、規制対象の天然ガスと電力、再生可能エネルギー、および規制対象外の再生可能エネルギーを提供または投資するWECエナジー(WEC)、CECONY、O&R、クリーンエネルギービジネス、コンエジソントランスミッションが含まれるエネルギー関連の製品とサービスを提供する持株会社であるコンソリデーテッド・エジソン(ED)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値を上回って推移しており、配当は2002年より毎年増配しています。

 コロナ発生により電力・ガス需要が停滞していたこともあり株価は下落したものの、ワクチン流通とともにサザンカンパニーが事業を展開する地域においてエネルギー需要が回復したことで株価も回復してきました。

 今年6月上旬よりS&P500やNYダウが下落するのに伴って株価が下落したものの、直近株価は回復してきており再び今年の高値を捉えることができるか注目です。 

業績動向

 2022年4月28日開示の四半期決算では売上・1株利益ともに市場予想を上回りました。

 決算を受けて株価はわずかに下落しましたが、その後はマーケット全体の動きに左右されるかたちで株価は推移しています。

 1株利益は前年同期と同程度となり、売上は前年同期比で拡大しています。

 今後は、高まるコストの増加に対してどのように対応していくかで業績の明暗が分かれそうです。

 次回は2022年7月28日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。 

注意点

 運転コスト・保守コストが増加しており、さまざまなインフレリスクに対しての対応次第では株価下落のリスクがある点に注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.72ドル
配当利回り:3.78%
株価:71.77ドル(約9,800円)

 この銘柄、権利落ち日は8月中旬予定(権利実施は9月上旬予定)です。

 配当利回りは7月12日時点で3.78%、株価は71.77ドルでおよそ9,800円から購入できます(1USD=136円換算)。

 2019年からの最高値は76.51ドル、最安値は43.23ドルとなっています(終値ベース)。

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