米国高配当株3:HBTファイナンシャル(HBT)

 傘下に、Heartland BankとTrust Companyを有しイリノイ州およびアイオワ州で銀行業を展開しています。

 それらの州では消費者、企業に対し住宅ローンや自動車ローン、ビジネスローンなどの一般的な銀行サービスを提供しています。また、地域密着である強みを生かし、地元顧客のニーズに合わせて柔軟に経営方針を決め事業展開しています。

 時価総額は5億1,200万ドルで、日本円で約696億円となっています(1USD=136円換算)。

事業の注目ポイント

 事業は「Consolidated information」単一事業で構成されています。

 その中で、大きく分けて「ローン事業(Loan)」、「証券事業(Securities)」、「ウェルスマネジメント事業(Wealth Management)」に分かれており、「ローン事業」の中心は「法人向け賃貸物件(CRE–Non-owner occupied)」で、「複数世帯物件(Multi-family)」、「専用住宅および共同住宅物件(1-4 Family residential)」と続きます。

 また、「証券事業」の中心は「商業不動産担保証券(Agency CMBS)」で、「地方債(Municipal)」、「住宅担保証券(Agency RMBS)」と続きます。

競合他社

 競合他社として、銀行子会社であるMetro City Bankを通じて事業を展開する銀行持株会社のメトロシティ・バンクシェアーズ(MCBS)、子会社であるEquity Bankの所有・管理をする銀行持株会社のエクイティー・バンクシェアーズ(EQBK)、子会社を通して商業、抵当・消費者貸付、リースによる資金調達、信託口座サービス、預金者サービスおよび保険サービスなどの金融サービスを提供するファースト・ファイナンシャル(THFF)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値までは戻っていませんが、配当は今年に入って増配しています。

 コロナ発生以降株価は下落したものの、その後経済の回復とともに徐々に株価は回復してきました。

 今年に入ってから自社株買いを進めたことや、本業の「ウェルスマネジメント事業」の手数料が増加したことなどで業績が好調に推移したことも株価が堅調な要因のようです。

 今後は金利上昇に伴うローンの貸し出し低下が予想されますが、他の事業でその減少をカバーできるか注目です。

業績動向

 2022年4月25日開示の四半期決算では、1株利益・売上高いずれも市場予想を上回りました。

 新規のローン貸し出しの拡大が難しくなってきている中で、支店閉鎖によるコスト削減や運用資産の利益拡大によって業績の悪化を防いでいます。

 今後は、ローンの減少をどのようにカバーしていくかで業績への明暗が分かれそうです。

 次回2022年8月1日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるか注目です。

注意点

 金利が上昇している中で、HBTファイナンシャルの対応次第では業績に悪影響をおよぼす可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:0.64ドル
配当利回り:3.61%
株価:17.71ドル(約2,400円)

 この銘柄、権利落ち日は8月上旬予定(権利実施は8月中旬予定)です。

 配当利回りは7月12日時点で3.61%、株価は17.71ドルでおよそ2,400円から購入できます(1USD=136円換算)。

 2019年10月14日からの最高値は19.94ドル、最安値は9.11ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株4:オイル・ドリ・コーポレーション・オブ・アメリカ(ODC)

 吸着剤製品の開発、製造、販売におけるリーディングカンパニーです。

 吸着剤を用いた農産物・園芸用品や漂白粘土・浄化補助製品、キャットリター製品、スポーツ用品などさまざまな製品を手掛けています。

 時価総額は2億2,500万ドルで、日本円で約306億円となっています(1USD=136円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「卸小売事業(Retail and Wholesale)」で、続いて「企業間商取引事業(Business to Business)」となります。

「卸小売事業」ではキャットリター製品や、産業用製品・スポーツ用製品などを取り扱っており、「企業間商取引事業」では流体浄化製品や、粗飼料製品などを取り扱っています。

競合他社

 競合他社として、外観、性能、メンテナンス用の各種製品の製造、マーケティング、販売を行うオーシャン・バイオケム(OBCI)、デスケア業界で葬儀および墓地の製品とサービスを提供するストーンモー(STON)、家庭用品、パーソナルケア用品、特産品の開発、生産、マーケットを行う企業であるチャーチ・アンド・ドワイト(CHD)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は2021年の高値を下回って推移していますが、配当は19年連続で増配しています。

 一昨年、コロナの影響で一時的に株価は下落しましたが、その後、早い段階で株価は回復しました。

 しかし、人手不足や、トラック輸送の逼迫(ひっぱく)・海上輸送の遅延によるサプライチェーンの混乱によってコスト上昇圧力が増しており、そのような影響から2月以降株価は下落しました。

 その後、自社株買いを進めたことや、のれん代減損計上はあるものの、業績が拡大したこともあり、株価は回復してきています。

業績動向

 2022年6月7日開示の四半期決算では市場予想の発表はありませんでしたが、第3四半期迄の過去最高の連結売上高を記録しています。

 一方、のれん代減損費用を計上したことで一株利益はマイナスとなっていますが、それを除くと営業利益はプラスとなっています。

 自社製品の値上げを行うことでインフレへの対応をすすめており、今後も販管費の削減や商品価格の引き上げなどでインフレへの対応をとっていけるか注目です。

 次回2022年10月中に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるか注目です。

注意点

 インフレがピークアウトするとの観測も出ていますが、まだ不透明な部分も多く業績への影響次第で株価が下落する可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.12ドル
配当利回り:3.57%
株価:31.30ドル(約4,300円)

 この銘柄、権利落ち日は8月11日(権利実施は8月26日)です。

 配当利回りは7月12日時点で3.57%、株価は31.30ドルでおよそ4,300円から購入できます(1USD=136円換算)。

 2019年からの最高値は38.45ドル、最安値は22.98ドルとなっています(終値ベース)。