米国高配当株1:シェル(SHEL)

 エクソンモービルやBPなどと同様に、かつて世界の石油を独占していたセブンシスターズを起源とする、欧州石油メジャーです。

 2005年にロイヤルダッチとシェルが合併し「ロイヤルダッチ・シェル」が誕生し、その後社名を変更し現在の「シェル」となりました。

 時価総額は1,780億ドルで、日本円で約24兆2,080億円となっています(1USD=136円換算)。

(出典:四季報)

事業の注目ポイント

 事業は今年より「統合ガス事業(Integrated Gas)」、「アップストリーム事業(Upstream)」、「マーケティング事業(Marketing)」、「化成品事業(Chemicals and Products)」、「再生可能エネルギーソリューション事業(Renewables and Energy Solutions)」などに変更されました。

 その中で、事業の中心は「統合ガス事業」で、続いて「アップストリーム事業」、「マーケティング事業」と続きます。

「統合ガス事業」では、LNGやGTL燃料(Gas to Liquids)を取り扱っており、「アップストリーム事業」では原油の探鉱・開発・生産までの原油の開発段階を行っています。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値を超えて推移しており、配当は変動があるものの前年同期と比べて増配しています。

 資源価格の上昇に伴って株価も上昇してきましたが、直近は景気後退懸念による資源需要低迷の恐れから6月の高値に比べて下落しています。

 ですが、今後コロナ発生直後のような資源価格の急落は考えづらく、業績は堅調との予想であることから、安定的な株価で推移することが期待されます。

業績動向

 2022年5月5日開示の四半期決算では、1株利益・売上高いずれも市場予想を上回りました。

 主要事業において前年同期比の水準を上回ったこともあり、市場予想を超える業績結果となりました。

 今後も業績が拡大していく予想ですが、資源価格の推移とロシアからの事業撤退の影響がこれからの業績にどれだけ影響をおよぼしていくか注目です。

 次回2022年7月28日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 自社株買いをしていることもあり直近株価は横ばいで推移していますが、景気後退懸念による資源需要低迷が業績に影響を与え、株価下落につながる恐れがあることには注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.94ドル
配当利回り:4.01%
株価:48.34ドル(約6,600円)

 この銘柄、権利落ち日は8月中旬予定(権利実施は9月中旬予定)です。

 配当利回りは7月12日時点で4.01%、株価は48.34ドルでおよそ6,600円から購入できます(1USD=136円換算)。

 2019年からの最高値は81.91ドル、最安値は35.39ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株2:コーニング(GLW)

 ガラス科学やセラミック科学、光学物性などの材料科学分野で世界的な企業です。

 液晶ガラス基板で世界首位の企業であり、他にもスマホ向けガラス、光ファイバー、自動車、医療用容器など幅広く事業展開しています。

 時価総額は274億ドルで、日本円で約3兆7,264億円となっています(1USD=136円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「オプティカルコミュニケーション事業(Optical Communications)」で、続いて「液晶表示装置用部品事業(Display Technologies)」、「特殊素材事業(Specialty Materials)」、「環境技術実証事業(Environmental Technologies)」、「ライフサイエンス事業(Life Sciences)」などとなります。

「オプティカルコミュニケーション事業」では、映像、データ、音声通信などのサービス向け光ベース通信インフラに関する製品およびソリューションと、企業・政府および個人向けに販売される光ベース通信ネットワークを提供しています。

 また、「液晶表示装置用部品事業」では主に液晶テレビ、ノートパソコン、フラットパネルデスクトップモニターに使用される液晶ディスプレイ用ガラス基板を製造しています。

競合他社

 競合他社として、電気・電子・光ファイバ用コネクタ、相互接続システム、アンテナ、センサおよびセンサベース製品、同軸ケーブルおよび特殊ケーブルの設計・製造・販売を行うアンフェノール(APH)、世界中に電子機器受託製造サービスとソリューションを提供するジェイビル(JBL)、クラウドベースのサブスクリプションを含む一連の製品、およびソリューションの設計・製造・販売を行うゼブラ・テクノロジーズ(ZBRA)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値まで戻っていませんが、配当は今年に入って増配しています。

 ロシアのウクライナ侵攻以降、コーニングの業績は好調に推移しているもののS&P500やNYダウの下落に伴って株価は低迷しています。

 しかし、会社側は今後も年間7%程度の売上成長と、配当を年間10%以上増配することを予定しており、堅調な業績が続いていることから株価の回復も期待されます。

業績動向

 2022年4月26日開示の四半期決算では、売上高・1株利益ともに市場予想を上回りました。

 業績は売上高前年比15%増、EPS前年比20%増と好調に推移していますが、決算を受けての株価への影響はほとんどありませんでした。

 会社側の発表では、製品の受注も引き続き好調で第二四半期には製品を値上げしたことが業績にさらにプラスに反映されると予想しており、今後も堅調な業績が予想されます。

 次回は2022年7月26日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。

注意点

 インフレに伴う景気悪化によって、需要が停滞した際に業績悪化・株価下落につながる可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.08ドル(年4回配当)
配当利回り:3.32%
株価:32.45ドル(約4,400円)

 この銘柄、権利落ち日は8月30日(権利実施は9月29日)です。

 配当利回りは7月12日時点で3.32%、株価は32.45ドルでおよそ4,400円から購入できます(1USD=136円換算)。

 2019年3月からの最高値は46.25ドル、最安値は17.75ドルとなっています(終値ベース)。