株式市場は、FED(連銀)によるプログラム売買の結果

 全ての市場の下落は、FED(米連銀)のバランスシートの縮小または一時停止と一致しているように見える。何百万人もの投資家の判断によって動かされているはずの市場が、毎月同じことを繰り返しているのは市場ではない。それは国家管理相場という実行中のプログラムであり、軌道上を走るだけだ。

連銀の総資産・QEとS&P500の推移

出所:リアルインベストメントアドバイス

 そうであるならば、次の株式市場の大きな買い場はQE5(量的緩和第5弾)となるだろう。

 逆金融相場はまだ始まったばかりなのに、米国では9月利上げ停止とか、QE5待望論とか、バブル再燃期待が強い。9月利上げ停止観測は、ラエル・ブレイナードによって「ありそうもない」と否定されたが、それでも11月に中間選挙を控えた米国では、「利上げ停止」観測がくすぶっている。

 米国株の強気派は、「米中間選挙の日程をにらみ、FRB(米連邦準備制度理事会)が今年のジャクソンホールシンポジウムの前後で不況に向かっていることを認め、市場は2022年の年末に利下げを開始する」というシナリオに乗っている。

 2022年の年末か2023年の初頭に利下げが行われ、そのあとは世界的な景気後退をうけて、またQE5が行われるというのだ。QE5の前には当然利下げがあるだろうが、そこは株式市場が反騰しても大底ではないだろう。

 いずれにせよ、2008年の世界金融危機(リーマンショック)以降の株式市場は、FEDによるプログラム売買の結果である。